劇場公開日 2017年12月9日

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「一色先生はファンタジー作家だと思ってた」DESTINY 鎌倉ものがたり つとみさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0一色先生はファンタジー作家だと思ってた

2023年11月7日
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鑑賞方法:DVD/BD

映画というのは興味深いもので、観る前は期待してなかったのに抜群に面白い作品もあれば、ずっと楽しみにしていたのに肩透かしを食らう作品もある。

「DESTINY鎌倉ものがたり」はどちらかというと後者で、予告を観たときの「面白そう!」というワクワクから始まり、「何かタルいなぁ」と気持ちが萎み、観終わった時は「ああ、うん…」と何ともモヤモヤした気分だった。

話の流れとしては特にダメな所は見当たらないし、演技がダメというわけでもないし、鎌倉らしい風景と黄泉の国の世界観も良かったと思う。
不思議なことに映画を細かく紐解くと、なんで最終的に「良かった~!」とならないのかわからなくなる。何一つダメな所を見つけられないのに、面白くないのだ。どうしよう?

で、思い至ったのが予告編だ。
「黄泉の国へ妻を取り返しに行く」と、一色先生は高らかに宣言なさっているのだ。
当然、古都鎌倉から死後の世界へ、命懸けの冒険が否応なしに期待させられるのに、これがなかなかそうはならない。
そりゃそうだよ。だって亜紀子死んでないもの!黄泉じゃなくて鎌倉にいるもの!

「妖怪やら死者やら神様やらが普通に生活している鎌倉で、ちょっと不思議な新婚生活が始まったよ」的な所までで予告を作ってくれれば、前半のほのぼのシーンの連続も違和感なく楽しめただろう。
作品の一番の大ネタが予告でバレちゃってるんだから「まだ?」という気持ちになるのは無理もないし、「引っ張った割には盛り上がらなかったなぁ」という感想になってしまうのも致し方ない。

本編とは関係ない(全くないわけではないけど)ところで躓くこともあるんだな。やはり映画は興味深いものだ。

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つとみ