「優しくてあたたかい話でした」DESTINY 鎌倉ものがたり おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
優しくてあたたかい話でした
主演の二人の自然でテンポのよい演技と妖怪たちのおかげで、序盤から独特の世界に引き込まれ、楽しむことができました。親戚の小学生3人を連れて鑑賞してきましたが、子供たちでも十分理解できたようで、楽しかったと言っていました。
原作未読のため、役のイメージに合っているかどうかわかりませんが、堺雅人さんは抜群の安定感で一色を演じていました。また、高畑充希さんも魅力たっぷりに演じていてとてもかわいかったです。素直で純粋でひたむきな人柄がにじみ出るような役が、本当にうまいと感じます。
そんな二人が互いを大切に思い合っている様子が丁寧に描かれているのもとてもよかったです。でも、自分の中では、貧乏神の場面がいちばん胸熱でした。田中泯さんのいぶし銀の演技が胸に刺さりました。あと、序盤から丁寧に仕掛けた伏線を、終盤からエンドロールまで使って回収していたのもおもしろかったし、宇多田ヒカルさんの歌声も心に響きました。
ただ、全体的に見ると、物語が大きく動き始めるまでがやや長く、少々退屈に感じる部分もありました。終盤に向けての伏線の役割や、妖怪と同居するような鎌倉のゆったり感を描く必要もあったでしょうが、もう少しテンポよく編集してもよかったのではと感じました。また、終盤のバトルシーンも少々ツッコミを入れたくなるところがあったのも、ちょっとだけ残念ポイントでした。
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