彼女がその名を知らない鳥たちのレビュー・感想・評価
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新感覚の後味悪い系邦画
登場人物に共感で来てしまう私はメンヘラ女なのでしょうか笑
レビューを拝見すると、共感できないとの感想が多く、皆さん健全なメンタルをお持ちなのだなと感心しました。
もちろんフィクションなのだけれども、このような愛憎が殺人に結びついたり、不倫の末路等々…
非日常とは思えないず妙にリアル。
陣治の言動は度を超えていると感じるが、愛する人が傷ついたり、悲しんだりすることを回避させようと自分を犠牲にすることは誰にでもあるはず。
陣治の十和子への想いの根底にある、愛する人を笑顔にしたいというはそれは決して歪んでなんかいない。誰もが皆ちょっとした狂いやタガが外れることによって、犯罪者になりかねない。
陣治の狂気や異常性を徐々にたくさん感じるようにうまく煽られた。そこからのあの結末に1本取られたという感じ。
キャスティングは概ねはまっていたと思います、
竹野内さんだけなんだかしっくりこなかったのは私だけでしょうか… いかにもすぎて逆に不自然だった気がします。竹野内さんは大好きです
後味悪い系の邦画大好きでたくさん見ていますが、そこまで重くはない題材だったかなと思います。
それで救われるのか?
マンションのローンもあるのに遺された十和子はどうすればいいんだろう。
またろくでもないDV男に騙されるのがオチじゃないかな。
萩尾望都の「トーマの心臓」みたいなことをやりたかったのかもしれないけど、にしては美しくないな。
俳優陣の演技は悪くないが、蒼井優の関西弁に違和感を感じる…頼むから方言キャラには方言ネイティブの役者を使ってくれ…
怒りと切ないが混同する
アマプラの一覧で目に付いたので、今更ですが見てみました。
最初の方は十和子のだらしなさ、クレーマー気質な所、陣治がいるのにも関わらず浮気をしてしまう軽率な所に憤りを感じていました。
それに尽くす陣治も本当に意味がわからないし、ただただ心配性のストーカー彼氏だと思い込んでしまっていた私でしたが、最後の罪の告白シーンで陣治の行動に納得がいってしまいました。
陣治の全ての罪を被るという愛情が深すぎる部分に、エンドロールで思わず泣いてしまいました。誰でも1度はこれくらい愛されたい、とは思ってしまいますよね…。
でもやっぱり十和子の行動は許せない…という部分が強いかなぁ、とか思ってモヤモヤしてしまったり。
そんな2人だから、なんだかんだで5年以上も一緒にいれたのかもしれない、と自分の中でのオチをつけたので今はスッキリした気持ちです!
男たちは飛び去っていく鳥の一羽にすぎないのだ。
愛されたい人からは愛されない。「一生大切にするよ、約束する」という安直さに気づきながら。
タッキリマカン。
殺した次の日には記憶が無くなってしまう。
彼女に笑っていて欲しくて殺人隠蔽したり、自分が刺した事にして自殺した幼馴染。
「私のたった1人の彼氏」と言いながらも、結局は沢山の鳥のうちの一羽に過ぎない。
守ってくれていたのに
最後、納得いきませんでしたが
十和子 (蒼井優)が
愛されていることに甘えて自由に生きている。
結婚してないとしても
彼を裏切っていることには変わらない
自分が殺していることを忘れてる ?
また同じことを繰り返す 帰る場所は
安心できる場所はそこしかないのに。
甘えられる人は彼しかいないのに
彼の優しさのなかに幸せがあった
彼の優しさに気づけなかった
失ってみて大切な人だと
深く悲しい。いなくなった後
しっかりと生きて欲しい
予想外
なんとなく見始めたものの、とにかく不機嫌そうで、文句ばかりの十和子にイライラして、見るのをやめようかと思ったけれど、
もしかして黒崎は陣治が殺したのかもしれない?
次は水島を殺すつもりかもしれない?と思い出したあたりから、面白くなりました。
最初の1時間は不快なシーンも多くて。
最後は予想外の展開。
久々に涙出た。
陣治ー死ななくてもいいじゃん。
十和子が前向きになれる気がしないよ。
2人が付き合うまでの回想シーン、『マンション買ったよ!』と十和子が笑ったシーンは良かった。幸せな瞬間もあったんだね。
原作に劣らない名演技、蒼井優、阿部サダヲ
原作を大変気に入っていて映像化ではあの感じを出せるのだろうかと思ったが、蒼井優、阿部サダヲの演技は見事だった。そして松坂桃李、竹野内豊があろうことか反吐が出るような男の役でこれも見事に演じ切っていてとにかく役者陣に感動。そしてこの究極の愛の形にも感動。家族と見るには気まずい映画だが笑笑とにかく好き。本では最後陣治が死ぬことで真実を全て持っていく、つまり東野圭吾の容疑者Xの献身みたいだなと思った記憶があるのだが、映画ではそのような解釈をしていなかったような??私の記憶違いか。容疑者Xの献身は真実を晒してしまったが、ここは陣治の為にも真実を晒さずに十和子に生きて行って欲しい。
視聴者へのミスリードが鮮やか
物語が進んでいくなかで、視聴者は陣治に対して「自分の好きな人のために殺人までするような手段を選ばない人」くらいの印象をうける。それは電車で若い男を突き飛ばすシーンからも想像に容易い。しかし、これこそが視聴者を騙すための演出で、だからこそ見終わった後に陣治に対する見方が変わって唖然とする。彼の飛び降り自殺という衝撃的な展開も自分的には違和感はなかった。
陣治がどのような人なのか、最後の最後まで分からないような演出が素晴らしかった。
彼は、十和子がこの殺人という重荷を背負って生きていくことになることを気の毒に思い、十和子が罪をわすれたことに対して笑顔を見せるほど優しい男であり、十和子のことを本当に愛している男であった。
見ている間、十和子と陣治の出会いを描かないのかずっと気になっていたが、1番ベストなタイミングで入れられていた。
前半の伏線が徐々に回収されている様も鮮やか。
じわじわとくる底知れぬ愛情に驚く
見終わってすぐゴダールの『気狂いピエロ』とジャン・ジャックの『ベティーブルー』を思い出した!
自分の事などどうでも良い全ては愛する人への底無しの執着いや愛情。これは狂気的。
人はこんなに想うことが出来るのか…
この映画の凄さは自分が死んだ後でも愛する人が幸せを捕まえる事ができるように子供を作って欲しいと言う提案。まさしく命をかけた遺言。
こんなにも想われたら自分ならどうしようか?と
少し怖くなった。
日本映画も悪く無いなぁ。
震えた〜!
十和子を見ていると、「愛は盲目」とはこのことかと思ったのが、その愛は狂気と表裏一体なのかもしれないと感じました。
それから、愛って善でも悪でもなく、美でもあり醜でもあるものかななんて思ったり。
みなさま演技がうますぎてとても好きな作品でした。
『百万円と苦虫女』のすぐ後に見たので、特に蒼井優さんの演技の振り幅には感動しました。
凄い
蒼井優演じる十和子の美しく弱く酷い女ぶりが素晴らしい。十和子をもて遊ぶ男達の狡さ醜さも際立つ。過去と現在が交錯する構成、ミステリーの体裁でありながら謎が解けてわかるのは深い深い愛であるという結末が凄い。
阿部サダヲ演じる陣治の静かな嘆き悲しみ、それでも手放さない深い愛情、ラスト間際での二人の出会いの回想で十和子が笑ったと喜ぶ束の間の幸せが胸に迫る。
主演2人の演技力がすごい。 よく考えてみれば予想できそうな結末であ...
主演2人の演技力がすごい。
よく考えてみれば予想できそうな結末であるにも関わらず殺ったのは陣治じゃないとは思いもしなかった。
1人の女に執着して監視して、やってることはストーカーなのにラストまで見るとそれは間違いなく愛であり美しいものに思えてくる不思議。
けどどうしても登場人物に対する嫌悪感とかベッドシーンの気持ち悪さとか不快感の方が勝ってしまった。
それから十和子と水島の始まり方もどうしても腑に落ちない。
店の責任者とクレーマーとか何がおきたって絶対にありえないでしょ。
全員クズだと思ったら1人だけ天使が‥
予備知識なしに観たので完全に騙されました。
クズだらけで誰にも共感できない中で、
こう来たか〜という驚き
究極の愛の形には色々あるんですね
まあ、極端ではあるけども天使かな〜
まるで容疑者Xの献身のような
キュンとくるんじゃなくて
ズンっと突き刺さる恋愛映画です
エンディングまで観てようやく好きになれる
映画でした
恋する乙女を愛したい
蒼井優の恋人に見せるあの笑顔。あの笑顔は恋する乙女そのもので、やばいね。交際経験のある男なら誰でもくすぐったくなるほど、女の子が、好きな男にだけ見せるあの笑顔。悲しいかな、その笑顔は阿部サダヲには見せないんだよね。
恋してないと死んじゃう病の女の子の危うさと、そういう女の子が巻き込まれた壮絶な現実。思考停止した感情さえも抱き寄せて、寄り添うことに幸せを感じる悲しい男。無償の愛が美しいのは見返りを求めないからこそなんだけど、愛されないことを自ら望んでるようなその真っ直ぐすぎる「無償の愛」の形は、純愛そのもので、あまりにも眩しい。
最後に驚き、そして嫌な気持ちになる。
陣次、なんで最後なんで、死んじゃうかなー。これから十和子が大変になるっていうのに。誰にも感情移入できないまま進んでいって、えー。十和子が殺したの、え?ってなって。そこはびっくりして、面白いってなったけど。
知らなすぎた、、
原作未読で、鑑賞しました。蒼井優さん演じる主人公十和子、最初はガラの悪い関西弁の女やな、と思わせといて、好きな男の前では可愛い方の関西弁や標準語にチェンジ、とかめっちゃリアルなやなぁと感心。水島との出会い、そんなんある?と一瞬冷めたけど、十和子の魅力と貞操観念の乱れを描くためには仕方ないのかな。
陣治の言動、やたら心配や心配や言うし、本当に狂気を感じてたけど、他の男を寄り付かせない為のオーバーなアクションじゃなく、本当に十和子のことが心配やってんな、、て全部違う意味で理解してた自分が恥ずかしくなりました。不潔なのにも理由があったんじゃん!そこまでする?ていう究極の愛に、やっぱりそこまでせなこの子には分からんやろな、と涙が止まらなくなりました。
たったひとりの恋人
今まではほとんど洋画しか観ないタイプでしたが、VODに入ってからは家で邦画も沢山鑑賞するようになって、その中でも今作はここ数年の邦画で間違いなく一番の作品で、心が酷く揺さぶられた作品です。ああ、劇場で鑑賞したかった。
白石監督の作品は、社会からこぼれ落ちた底辺の人間、生まれながらして要領が悪く上手く生きられない人間、人を人とも思わないゲスい人間の描写が本当に上手くて、どんな観察眼と洞察眼を持っているんだろうと驚いてしまいます。
ゲスな男と精神的に不安定な女性の作品は、昨今の邦画では割と多く作られていますが(流行りなのでしょうか?)、女性の描き方が、性暴力でも何でも受け入れてくれる聖母か、あるいは若くて可愛い女の子に男性が癒される的なロリコンファンタジー作品が多くて、世界は#me tooなのに邦画本当に大丈夫か?と思っていました。
しかし、今作のヒロインである十和子は男性を許し癒す女性として一切描かれていません。黒崎や水島に騙されても泣き寝入りはせずに、逆に復讐を果たします。つまり、男性からすると十和子はとんでもなく恐ろしい女なのです。私が今作を一番評価するところは、こういうテーマであるにも関わらず、男性の監督が女性を描く際にやりがちな気持ちの悪い女性蔑視感を感じさせなかったところです。
現代は科学の進歩によりおひとり様でも生きていける様になりましたが、その一方で人間ひとりひとりにも市場の論理が使われて、利益の出せない人間は生きていけない社会になりました。黒崎や水島の様な人間でも要領良く立ち回れば金や女が集まり、陣治や十和子の様な人間は、生きづらさを抱えてしまいます。日常的に自死、心中、虐待、DV、殺人のニュースが流れてきますが、ニュースの中の人間はきっと特別な人間ではない筈です。十和子や陣治はそんな生きづらさを抱えた特別な人間ではない現代人の象徴のように思いました。
切ない。凄まじ程の、愛情。
男女は、互いにすれ違い続けるのが幸せなのではないかと思ってしまった。
偽りの言葉や情事が輝いてみえる
純粋な思いやりに嫌悪を感じる
真実に近づき、通じ合う瞬間に果てる
蒼井優ちゃんの表情がクルクルと変わり、繊細で隙だらけ。
どの顔も自堕落でクズなのに、素直な感情を映し出していて、とても魅力的。
同じ女性として共感できる感情が多々ありました。
昔の恋人から「ずっと会いたかった」と言われたときの、涙を溜めて頷く表情が本当に可愛くて可哀想で、心臓がきゅぅってなった。
しかしながら劇中、優ちゃんを弄ぶイケメン達の下衆な事…
こんな素で歯の浮くような甘い嘘をついて、女を性欲の捌け口としてだけに利用したり暴力を愛だと言う男達、本当にいるの?犬猫にもこんな扱いできないだろ…と思うほど人として異常に見えた。
しかし、世の中不倫やDV男は溢れているから実際は掃いて捨てるほどいるんだろな…。
そろいに揃って口が上手い。行動は安っぽく、陳腐。
それで何故、女は心を奪われてしまうのでしょう。
この物語のように天罰が下れば良いと思いますが、
おそらくそれはフィクションなのでしょう。
まぎれもない究極の愛の物語。お気に入りの映画です。
私が観た作品の中で一番好きな、まぎれもない愛を描いた物語。
最近主演の蒼井優さんがご結婚されたり、沼田まほかるさんの原作小説を読み返したりと、自分的に再度振り返りたくなった映画であったため、やや旧作ですがレビューします。
かなり賛否両論分かれる作品だと思います。私は大好きです。
陣治は十和子の性質をよく理解している。これ以上、十和子を理解できる人は存在しないだろう。
心理学的言葉をかりると、十和子はHSP(Highly Sensitive Person)気質なのだろう。
働くわけでもなく毎日DVDをみたり自堕落な生活を送っているようにみえる十和子。
なにもしていないはずだが、十和子は非常に繊細な気質であるため、なにごとにも常に気を張っている状態。休んでいるように見えて、心身共に擦り切れているのだろう。イライラしやすいのも彼女の繊細な気質からくるものなのだろう。
陣治は十和子のその気質をよく理解してる。
仕事で疲れて帰ってきたあとにも、十和子の体を入念にマッサージしてあげているのは、気を張りつめて疲れた体と心をほぐしてあげているのだ。
そんな十和子を、初めて出会った時から危惧しており、気になって仕方がなかった。出会ったことを運命と捉え、本能的に「自分が守らなければならない」と強く思い、大事に大事に守ってきたのだと思います。
十和子の後をつけたり、しょっちゅう電話して確認してくるのは、純粋に十和子が心配だから。
十和子が自分を差し置いて他の男と寝ることなど二の次三の次。むしろそんなことはどうでもいい。
ただただ十和子の安全を守り、十和子の心の安定を脅かすものを恐れているのだ。
しかし陣治はこれから先、十和子とともに生きていったとしても、残念ながら十和子に愛されることは決してなかったのでしょう。十和子が愛せるのは、きっとこれから先も「哀れな男」だけです。
そんな十和子が少しでも幸せに、振り回されずに自分の人生を歩めるようになる可能性があるとしたら、男以外に愛を注ぐことができる相手がいること。つまり十和子が自分自身の子どもを授かることであると陣治は考えたのではないか。
陣治は不妊症であり、生きていても十和子に子どもを授ける役目は果たせない。なにより自分が十和子に愛されることはない。
「生まれ変わり」を信じることで、十和子に子を授けられる。陣治なりに大真面目にそう考えたのだと思います。
十和子の子どもとして生まれることで、十和子に初めて愛され、十和子をこれまでとは違う形で守り続けることができる。
そう信じたのではないか。
そして、自分が死ぬことで十和子の全ての罪も被ることができる。
十和子を守るためだけに生き、十和子を守るためだけに死を選んだ陣治であった。
ラストの2人の出会いからこれまでの全てを回想するシーンは圧巻です。とても美しい映像と音楽が胸を打ちます。
罪を犯したあと、十和子が記憶を失っていることに気づいた風呂場での陣治の安堵の表情には鳥肌が立ちました。陣治の愛を表す、とても素晴らしい演技でした。
陣治という存在に名をつけるならまぎれもない「愛」なのでしょう。十和子は最後までそのことを知らなかった。知らずに愛を注がれ続けていた。そして反対に十和子が愛を注ぎ、十和子に薄っぺらい愛を語ったかつての男たちの存在に名をつけるなら、決して「愛」などではない。彼女はそれに気がつくのが遅すぎた。
そのことを本作品タイトル、「彼女がその名を知らない鳥たち」として表しているのではないかと考えた。
これ以上、観た後に恋人と恋愛観を熱く語ることができる作品はそうそうないように感じます。(強く共感できる人と、一生一ミリも共感できない人とに分かれる作品でしょう)
それにしても原作小説作家の沼田まほかる先生は、その異例の経歴もさることながら、いったいどのような経験を積まれてこのような作品を作れるようになったのか、改めて背景が気になって仕方ないです。
正直勝手にミステリーだと思ってなかったからビックリしたが、面白かっ...
正直勝手にミステリーだと思ってなかったからビックリしたが、面白かった。
愛することが好きな女性と、愛することに徹した男性。女性の周りにいる、自分に都合よく愛を利用する男性。確かにどの立場でみるか問われる。
タイトルの意味は彼女がわかったつもりで全く分からなかった愛情の形のことだろうか。何にしろ最後のシーンにすべて詰め込まれた映画だった
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