「2度と見たくない。でもそれは紛れもない美しい愛だった、、。」彼女がその名を知らない鳥たち ポップコーン男さんの映画レビュー(感想・評価)
2度と見たくない。でもそれは紛れもない美しい愛だった、、。
好きな俳優が結構出てるんですが、もれなく嫌いになるくらいエグイキャラクターばっかりでした。
冒頭のクレームを言う十和子から「けっこうくるなw」と感じていましたが、そんなのは所の口。
粘着質なクレームや同居している陣治に対する罵倒、水島や黒崎のゲス行動の数々w
本当に見ていて心が削られていく作品です。
良く見たら『凶悪』の監督じゃねーかとwそりゃそうだわ。
しかしこの監督はグロイだけでは無いんです、非常に考えられたカット割りとカメラワークは秀逸です。(大阪城を写すところとかw)
共感度0とか宣伝していますが、そんなことはない。非常に共感できましたよ。
見る人間や男や女でもその共感度は変わってくると思います。
まずは主演の2人・阿部サダヲと蒼井優は大阪弁が非常に秀逸でいつも聞いている僕でもすんなりと耳に入ってきました。
また見たことのある風景がちらほらと映って非常にそんな所でも楽しめました。
この作品はとにかくラブシーンが多めなんですが、結構好きな蒼井優ちゃんが軽~いノリで心の空白を埋めるだけの為にSEXしているのはなんか切なくて心が痛みましたw
本当に2度と見たくないw
まあそのシーンの松坂くんも素晴らしいんですけどね。
ここからはネタバレ
ゆっくりと明らかになる全貌を追いかけると徐々に陣治の愛の大きさに心を揺さぶられます。
他のレビューの中には共感でき無い人ももちろんいます。「陣治の行動は常軌を逸している、死んだ後も心の枷にするため」等の書き込みも見られ、そんな考えもあるのかと感じました。
しかし十和子がセックスを求めて来た際に手で前戯をし、十和子がイッたのを確認すると毛布を掛け「僕は自分でするから、、」と陣治が言ったのはその前の日の「触らんといて、汚いんやから」との発言を受けての思いやりだったのではないだろうか?
それ以外にもいつでも十和子を思いやり、ホテルに入るのも止めるわけでもなく「いつかえらいことになる」と発言するだけ。
陣治の愛はたとえ自分に何が起きても十和子に前を向いて生きて欲しいという紛れも無い美しい愛だったのではないかと思う。