劇場公開日 2018年1月27日

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「このクソみたいな世界に音楽をぶち込んでやる!」サラバ静寂 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0このクソみたいな世界に音楽をぶち込んでやる!

2020年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 レイ・ブラッドベリ原作の『華氏451』(1966)のようなディストピア。華氏451では小説のみならず活字というものが存在しなかったが、このサラバ静寂では音楽、映画、小説などが禁止されているという不条理な日本。残念ながら多岐にわたる禁止項目は音楽についてだけしか描かれてないが、音楽が無くなるだけでも閉塞感漂う世界だ。

 そして警察権力が絶対的で、取り締まる=処刑。音楽を聴いていただけでも殺されるという恐怖政治が根底にあるのです。そんな日本で、ネジ工場で働くミズトとトキオは何の機械に使われるのかも知らずに黙々と仕事する。鬱憤を晴らすために万引きや空き巣狙いなどを繰り返し、ふとしたことで音楽を見つけてしまう。そして、どこかに「son of a NOISE」という闇ライブが行われていることを知るのだが・・・

 権力に対する反骨精神や、イライラさせる世の中に清涼剤をぶちまけるかのような展開も気持ち良いのだが、どうしてもチープな部分が目立ってしまうのが残念。テーマやメッセージはいいのにねぇ・・・音楽に絞った方がわかりやすいし・・・

kossy