劇場公開日 2017年6月24日

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「尾野真千子の好演!野際陽子遺作!だけど」いつまた、君と 何日君再来(ホーリージュンザイライ) てっぺいさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0尾野真千子の好演!野際陽子遺作!だけど

2017年6月25日
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鑑賞方法:映画館

主人公朋子のひたむきな半生が、尾野真千子の好演とともに2時間にギュッと詰められた映画。実在の芦村朋子の手記を、向井理の企画で映像化しており、野際陽子の遺作として見劣りのしない女性像が描かれていると思う。
ただ残念ながら、あまり感情移入出来なかった。朋子と、向井理演じる吾郎の半生を、ごく淡々と描いてしまっていて、登場人物個々の感情描写に重みが乏しい。吾郎の家族への思いとか、手記に描かれていなければ、映像化する際にそれを最大限補完してあげないといけないと思う。手記は恐らく膨大な量なので、それを2時間映像にまとめる事に躍起になるがあまり、映画として面白くする工夫が足りてなかったと思う。
反面、尾野真千子の好演っぷりは素晴らしい。朋子のひたむきな生き方、控え目だけど芯の強い女性像を、見事に演じていると思う。野際陽子さんの遺作としても見劣りしない、素晴らしい女性像だったと思う。
恐らく自分のように予備知識なく見る男性がいたら、吾郎の立場で映画を見てしまって、大した事ない男だな、で終わってしまうのでは。

てっぺい