「ただの恐竜のパニックムービーではない」ジュラシック・ワールド 炎の王国 Rinさんの映画レビュー(感想・評価)
ただの恐竜のパニックムービーではない
はいはい、どーせ恐竜でしょwという軽薄な内容ではない。
恐竜を再生させた「責任」について、今までよりさらに一歩リアルな問題提起をしている。
私は英語がしっかり聞き取れるわけではないけれど、それでも日本語で「恐竜」と翻訳されている部分が英語でdinosaurと言ってるときと、「animal」と言ってるときがあることを不思議に思った。
振り返ると、animalとは人間との比較だったのではないかと思う。
そうすると非常にリアルな問題だと感じた。
昨今の「動物」と「人間」の問題。私は動物愛護団体の手の者ではないのでその是非は問わないが、動物実験や捕獲、そしてクローンや遺伝子操作について、動物ならいいのか?人間に置き換えたら危険なことだ!人間にしてはいけないことを動物にはしてもいいのか!?といったことが声高に叫ばれている。本作では、今まで特別な存在であった「恐竜」の存在の是非が、動物、そして人間に置き換えて、よりリアルに描かれていたように思う。
作中でも、これは神の問題ではなく、科学の問題だ、みたいなことを言っておりましたが、まさしく「人間が神の領域に踏み込んでいいのか?」という抽象的な問題から、「進みすぎた科学の産物を人間がどう責任をとるのか」というリアルな問題にステップアップしているように感じた。
人間はどこまでも行動範囲を広げ、森林も深海も宇宙までも手をつけているのに、動物、恐竜にだけ「ここなら自由にのびのび生きていける、ここにいる限り人間世界とも共存できる」といった限定的な自由を与えることが本当の責任の取り方なんだろうか?
本作はジュラシック「パーク」ではなく、ジュラシック「ワールド」。最後のセリフで、その意味がよく分かった。