「副題は日本でありがちの誇張」バリー・シール アメリカをはめた男 白石黒井さんの映画レビュー(感想・評価)
副題は日本でありがちの誇張
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副題は「アメリカを嵌めた男」と書かれているが、映画を総じて見るとバリーは小悪党といった所。
なぜ小悪党といった印象になるか考えたら、誰かの手先になって散々振り回された挙句に墜落して堕ちてしまったという風にしか見えないから。
悪の道を進む事、リスクのある人生を選んだのはバリー自身なのだが、バリーの悪行行為の結末は、馬に人参つけたら落とし穴に気付かずに走り続けて落ちて行った様なアホらしさがある。
バリーは頭も良く、美人な奥さんもいたのだが、時代が産んだ只の一般人の被害者であり、金に目が眩んだ小悪党が自滅していっただけ。こんな時代に生まれなければ同僚とボヤきながら普通の人生を送っていたのかなーと思う。そして、バリーが起こした事件が偶々アメリカのFBI等の多くの組織が巻き込まれただけに見える。
こんなに色々言っておいてだけど、フィクションではなく史実に起き、一般人からしたら激動の人生を送った男の人生は誰かの手先だったとしも観てて面白かったし興奮した。金が有り余って仕方ないという生き方を、リスクが無ければ送ってみたいと考えるが、やっぱりノーリスクノーリターンだなと思ってしまう。
最後に、副題は「アメリカを嵌めた男」ではなく「スリルで浪漫な人生の選択と、その顛末」が合っているのではないかと感じた。勿論、キャッチーに見えるのは前者だが。バリーがこういったスリルのある人生に惹かれるのも、同じ男だから共感するが、暗殺の恐怖に怯えながら生活し続けるのは考えただけで気が参りそうだ。
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