劇場公開日 2017年7月28日

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「失われたハムナプトラの面白さ、呪われたダーク・ユニバースの始まり」ザ・マミー 呪われた砂漠の王女 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5失われたハムナプトラの面白さ、呪われたダーク・ユニバースの始まり

2017年11月27日
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鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

寝られる

『ハムナプトラ』としてリブートされた事もある1932年のユニバーサル・ホラー『ミイラ再生』を再びリブート。(50~70年代にはハマー・フィルムでリブートされた事もあり、正確には3度目)
本作を皮切りにユニバーサルのクラシック・モンスターを続々復活させる一大プロジェクト“ダーク・ユニバース”の第1弾。
ユニバーサル・ロゴと共にダーク・ユニバースのロゴも表示され、その自信のほどが窺える。
絶対コケられない“始まり”だったが、結果は…、ご承知の通り。
それでもトムくん映画だし、エンタメなアドベンチャーだし、面白いのは面白いだろうと思っていたけど…。

いきなりこんな事言うのは酷だけど、同じリブートなら圧倒的に『ハムナプトラ』の方がサービス精神たっぷりで面白かった。
勿論本作も、冒頭の砂漠の銃撃戦&爆破、無重力状態の飛行機墜落、森の中のチェイス、ロンドンの街を襲う大砂嵐、お馴染みノースタントのトムくんアクションなどなど、見せ場はふんだんに。
しかしながら、ワクワクハラハラ胸躍る面白さは感じられなかった。これくらいのアクションはトムくんスパイの時にやってるし、あの“砂の顔”なんてそれこそ『ハムナプトラ』の二番煎じ。どれもこれも似たような見た事あるようなアクションばかり。トムくんにしてはアッと驚くサービス精神に乏しかった。
『ハムナプトラ』と差別化図る為にホラー色をより濃く…と聞いたんだけど、全然そうでもなく。
ユーモアもかなり織り込んでるが、どれもスベッちゃってる…。トムくんとミイラになっちゃった相棒のやり取りなんてかなりシュール。

王女ミイラの復讐が話の肝になってる筈が、ここのインパクトも弱い。
あまり脅威や凄みも感じられず、ただソフィア・ブテラの王女ミイラが美人ミイラだったってだけ。
後、トムくんが何故呪いにかけられたかもピンとこず。美人ミイラもトムくん自慢の肉体美にメロメロになったってか?
王女ミイラはまだしも、登場人物たちが揃いも揃って何をしたいのかトンチンカンで、そもそもミイラ復活させちゃったのトムくんじゃん…。
今後のダーク・ユニバース作品にも登場するであろう秘密結社のリーダー、ラッセル・クロウ演じるジキル博士などのリンクネタも特別興味そそられるものでもなく(せっかくのトムくん&ラッセルの初共演もお粗末)、と言うか、アンタも何しに出てきた?
クライマックスも失速&グダグダ。
別にユニバーサル・モンスター映画が嫌いって訳じゃなく、これはただ単に演出や脚本がつまらないだけ。
復活が風化レベル。

う~ん、後本当に語る事も無く…。
大々的に今後の作品群や豪華キャスト陣も発表しちゃったのに、早くも先行き不安。
いきなりコケちゃったものはもう仕方ない。とりあえず、次の『フランケンシュタインの花嫁』で立て直しを。

近大