「セザンヌの絵以外、まったく興味がわかない。」スプリット さぽしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
セザンヌの絵以外、まったく興味がわかない。
"シックス・センス"という姑息な作品がまんまとヒットしてしまい、「現代のヒッチコック」って言われるのを否定せずに受け止め(w)
調子に乗って、重要な役で本編に出てみたり。
ラストでびっくり映画を期待する観客から逃げられなくなってしまい、その後は巧みなメタファー、しっかりしたテーマのある映画を撮ろうと、「ラストがつまんない!」と、一般客だけではなく、プロの批評家さん達にまで伝わらず、不当な評価をされ続け。
鬱憤がたまって、思わず「レディ・イン・ザ・ウォーター」で批評家批判をしてしまい、「大失敗!」と烙印を押され。
どんどん泥沼から抜け出せなくなり、「よし、こうなったらファンタジーや!ファンタジーやったら、どんでん返しとか期待されへんやろ!」って、(私は好きですが)"エアベンダー"を撮るも、ファンタジーにまで「ラストにどんでん返しがない!」と、ファンタジーですら、ラスト、ラスト!ってうっさいくらいに言われ、「マジか!?どないせーちゅーねん」な彼。
ええ、彼とは勿論、M・ナイト・シャマラン監督です(笑)
私が偏愛し、柱の陰からこっそり観察しているM・ナイト・シャマランの最新作。
『スプリット(2017)』
原題 Split
「シックス・センス」以降、うろうろ、ぐるぐるして迷走したあげくの、元サヤ「シックス・センス枠」に置きに行った前作『ヴィジット』が、そこそこの評価を得て。
シャマラン復活!とか言われております。
いやいや、そんなシャマラン観たくなかった!がっかりだよ。
いままで通り、自分の好きな奇妙奇天烈な映画を全力で撮ってほしかった!
そして重要な役を、ぜひぜひ監督自ら演じていただきたいんです(笑)
例え、みんなに批判されてもです!
本作、アメリカでは公開3週間連続1位かなんかです。
なんか、「シックス・センス」「サイン」に次いでの興業成績らしいですよ。
やべ、シャマランのドヤ顔が想像できるw
しかし本作自体には、あまり興味が持てないというか。
シャマラン監督曰く「アンブレイカブルは3部作」とのことなので、最終章につなぐキャラ紹介のような感じに受け止めました。
※アンブレイカブルはもっと評価されていい作品だと思いますけど。
主役ケビン役のマカボイさんも、多重人格の23人+1全キャラを1人で演じ分けるかと思ったら、6人?だけなんですね(あ、動画で出てたか)。
そんなケビン(マカボイさん)VS女子高生の戦いin密室です。
主人公一人だけ、何故か下着姿にならなくて。
あぁそれが言いたかったのかと。
ちょっと雑(笑)
ラストで、あのお方も数秒登場しますよ。
いやー、老けましたね!
で、このケビンなんですが、「アンブレイカブル」のあるシーンで、主人公ダン(ブルース・ウイルス)に軽く接触しながら、母親に手を引っ張られながら通り過ぎていく少年の成長した姿だと思うのですが、どうなんでしょうか?
あの時サイコメトラー的な能力で、少年が虐待されていることを知るじゃないですか。
ただどうしても、気になるシーンがあって。
それは主人公ケビンを担当している精神科医が、美術館である絵の前で微笑むシーンです。
あれ?どっかで見た絵だ。と思って、古い画集を捲ったら「セザンヌ:大水浴の図」でした(多分そうです)。
何故、精神科医は、セザンヌを見上げて微笑むのだろうか。
映画の中には、よく絵画が登場します。
「007スカイフォール」には、ターナー作「解体されるために最後の停泊地に曳かれていく戦艦テメレール号」が登場しますよね。
引退する戦艦に、自分を重ねるボンドの図。
映画の中の絵画には、かならず意味がある筈です。
なんなんだろうか。ちょっと考えてみます。
あ、主人公のアニヤ・テイラー=ジョイちゃん。
やっと『ウイッチ』が日本公開となりますねー。
最近珍しい1970年代のモダンホラーの雰囲気あり。
なかなか良いですよー。
ただわーきゃーな最近のホラーに慣れたネット民には、評価低いでしょうけどねw
今後、注目していきます!
※なんでわざわざ、某有名小説と同じ24人の人格にしたか?
だって、某有名な小説でイメージ足されるじゃんー。
低予算ですもの。観客の方で勝手にイメージ足してくれるから、楽!パクリって言われるリスクより、手間暇リスクを省きたいのじゃ!だって手間暇かけたって、おまいらわからんやろ!
シャマラン!あの頃のシャマランに戻って( ノД`)シクシク…