「何かが足りない」ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ うそつきかもめさんの映画レビュー(感想・評価)
何かが足りない
事実をもとに構成した自伝的映画でしょうが、分かりやすく演出もしているので、そればかりとも言えない内容。
その演出と言うのは、レイが仕事を軌道に乗せていけば、ベッドで妻が振り向いてくれないというようなもの。仕事を軌道に乗せていく過程に自分を投影して、なんとなく成功者気分になれるような映画とはひと味違います。
特に丁寧に描いてあるのが、創業者ディックとマックの意思とはかけ離れて、ビジネスがどんどん手の届かない規模に膨れ上がっていく様子で、主役のレイはまるで辣腕の弁護士かのようにも振る舞い、最終的には土地を買うという手段で彼らからハンバーガーショップを取り上げてしまいます。
何かが上手くいって、最終的に美味しいハンバーガーを僕達が食べることが出来る。その巨大なビジネスを生み出した創業者が、現代の偉人ですよ。みたいなお話を想像していたので、ちょっと当てが外れた感じです。少なくとも、見終わって「よし、俺も頑張ろう」みたいな気分にはなれない。
映画としては、不完全なもの。それは、登場する人物に共感できないからに他なりません。
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