「とてもよかった」ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
とてもよかった
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面の皮の厚さ問題が描かれている。作品をパクって、パクった方が売れる場合がある。本体を作った人は、「果たしてこれでいいのだろうか、受け入れられるだろうか」という疑問や、他の作品との比較など相対的にまあまあだなみたいな自己評価がある。しかしパクる方は、その作品に大変な魅力を感じており、一切迷いがない。そして作品に感じた魅力を、思う存分迷うことなく表現するので、オリジナルよりずっといいパフォーマンスをする。そうしてパクった方が人気が出る。そして、いつしか自分が作ったみたいな気持ちになり、ますます迷いがなくなる。その際、面の皮の厚さが大変な効果を発揮する。
オリジナルを考えるより、パクリの方がずっと売れると最近ずっと考えていたのだが、その図式がこの映画でばっちり描かれていた。いい面も悪い面も、両論併記でどちらに偏ることなくまっすぐ描いている感じがすごくよかった。
あの信用ならない厚かましい人に対して紳士協定は絶対にダメだ。ひどい話だった。しかし、その素晴らしいシステムはあいつがいなかったら世界に広まらない。兄弟は誠実だけど頑なすぎる面がある。主人公は誠実でないからこそ、彼も偉人であると思うが、ひどいバチが当たるべきである。
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