「マクドナルドという大成功の話。なのに・・・」ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ ryukakさんの映画レビュー(感想・評価)
マクドナルドという大成功の話。なのに・・・
この映画が、この時代にこのような描かれ方をするという所に考えさせる部分があった
アメリカを代表する大企業、マクドナルドの誕生から成功までの話である。創業者達はもっと栄光と賞賛を浴びるような描かれかたをされてもおかしくないはずである。昔、アメリカの飽食文明を追求する為に大盛りのマックを食わされ続ける「スーパーサイズミー」というドキュメンタリーがあったけども、あれでさえこの映画よりよほど明るかった。アメリカの心と言って良い大企業の成功譚である。笑いと明るさに包まれた話になるべきだろう
しかし、この映画では全般的に焦燥感に駆られた話が続く。レイの行き急ぐ焦燥感に引っ張られるからだ。笑顔だったマクドナルド兄弟の周辺。レイもそれに習い、笑顔が作れる職場を目指す。しかし、彼の焦燥感が周りから笑顔を奪っていく。この映画は、成功者と言われる人が、何を犠牲にして成功したのか?そして、それは本当の成功なのか?を説いている作品だと思う
そしてこういう描かれ方をされているという事自体が、今のアメリカの成功主義、資本主義に疑問を投げかけているという事だと思う。アメリカに居る大多数の敗者、そしてそれを食い物にしている勝者、しかしその勝者さえも常に焦燥感に追われ、満足行かない人生を過ごす。こういうアメリカの仕組みはどうなんだ、と
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