T2 トレインスポッティングのレビュー・感想・評価
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一作目以上に「戻る」が印象的。ただ、戻っただけではない。
○作品全体
一作目は「戻る」演出が印象的だった。麻薬中毒者へ戻る、悪グループに戻る、普通の生活へ戻る。芝居で言えば踵を返す、構成で言えば時間を戻す。ただ、登場人物たちはそれぞれ深刻な状況になりながらも状況を改善できる「若さ」があった。
二作目ではその「若さ」を使い切った状況から始まる。現状に絶望し、楽しかった少年時代に戻ろうとする登場人物たち。その行き場のなさを時にユーモラスに、時に冷徹に描写する。登場人物に肩入れせず、かと行って突き放すことのない作品の距離感が面白かったし、二作目だからこそ、より登場人物の魅力を感じられた。
二作目になって、より「戻る」の表現が鋭利化していた。一作目では今あるコミュニティへと戻っていくことが多かったが、本作では幼少期の頃のコミュニティへと戻っていく。レントンとサイモンの幼少期からの親友、という強調がそれだ。一作目でも二人は親友同士として描かれていたが、本作ではサイモンの家族が経営するクラブで小さい頃の二人が並ぶ映像を使っていたり、二人しかしらない過去の話を持ち出す。ベロニカのセリフに「二人で愛し合えばいい、疎外感を感じる」といったニュアンスのものがあったが、終盤まで二人の関係の深さを表現するものがあり、それが逆に時代の逆行のようにも映る。作品中盤で二人が再び薬物に手を出すシーンも、紛れもない「戻る」描写だった。こうしたものが老いを強調させる「あの頃は良かった」描写と言い切ってしまえばそれまでだが、サイモンの恐喝がバレてしまったり、レントンの環境であったり、現状の行き詰まり感との対比としてうまく機能していたし、「戻る」ことについて悪い意味での居心地の良さを表現していた。
スパッドも薬物中毒者へ戻ることを繰り返していたり、ベグビーも凶暴さを変わらず抱えて街へ戻ってくる。若さを失った彼らが居心地の良いところへ戻ってしまえば、そこにあるのは行き止まりだけだ。しかし、ただ戻っただけではないところがこの作品の面白いところで、戻してしまった自分たちを更地にしてリビルドする希望も描いていた。
スパッドはレントンやベロニカと関わることで自伝を書くという目標とサイモンのクラブの改築作業という日々の生きがいを手に入れた。薬物もやめた。登場人物達の中で一番最初に戻るところからリビルドを始めたのはスパッドだろう。
ベグビーも父から続く暴力と落ちぶれの血筋を息子に求めることをやめて、ケリをつけようとしていた。終盤のクラブのシーンでレントンとともに幼少期の姿を俯瞰で映すシーンは、一度ベグビーの原型を切り取り、過去へ戻した上でリビルドする、といった意味で重要なシーンだ。
レントンとサイモンも手持ちの金をベロニカに取られ、風俗営業の道も断たれ、まっ更な状況に立ち返る。特に、ラストの子供部屋に帰るレントンのシーンがとても良かった。子供部屋からやり直す、という意味付けも面白いし、フラッシュバックして重ねる薬物中毒のときのレントンと今のレントンの演出も良い。昔はそのまま倒れてしまったが、今のレントンは違う。小さな子供部屋だが無限に伸びる可能性も孕んでいる。奇抜な演出ながら実直な表現でもあり、単に希望だけを映すわけでもないところが絶妙だった。
エンドロールでビルの爆破を延々と映す。老朽化したビルを壊したその先には、新たな何かがリビルドされるのだろう。「老朽化」したレントン達と重ねるものとして最高にマッチしたエンドロール。この作品は決して「戻る」ことに執着した没落者を映しただけの作品じゃない。ドラマティックには欠けるかもしれないが、その分説教臭くないハッピーエンドが見られる佳作だ。
○カメラワークとか
・短いカット割りで点描する演出が見ていて気持ちいい。関係のない映像の点描に見えて、レントンやスコットランドの状況を描写する演出が押し付けがましくなくて良かった。
・プロテスタントパブから逃げる車にプロジェクションマッピングで映像を映す演出があった。壁一面に映す、みたいなのもスパッドの部屋のシーンでもあったけど、映像内に映像を映すっていうアイデアの表現の仕方が面白い。いずれも回想のような意味合いがあった。
・過去の自分を見る、という演出が猛烈に良かった。スパッドが一作目冒頭にあった街中を逃げ回るレントン達を回想するシーンが特に良い。昔そこにあった景色を追想する演出。アニメでは割と見る(『あの花』OPとか)し自然なんだけど、実写ではどうだろうと思っていた。本作のシーンはロングショットだからか、全然違和感がなかった。
・割と境界線演出を使うなーという印象。ベロニカがサイモンと話しながらレントンから受け取った金を数えるシーン。窓の外から映した二人の間に窓枠で境界線を作る。風俗を取り仕切るマフィア(?)に森へ連れて行かれるシーン。木の幹でマフィアとレントン達の間に境界線。
○その他
・プロテスタントパブのシーンがすごく面白かった。わかりやすくカトリックを貶せば喜んでくれるプロテスタントパブの人たちとか盛り上がる流れとか。なぜここを襲う?と思いながら見ていたからキャッシュカードの暗証番号がわかるから、ということが分かったところで膝を打った。
中年になった3人が中途半端な青春の名残りにケリをつけChoose Life=自己肯定する姿を描く
『トレインスポッティング』は青春の危険極まるポップな暴走を描いた作品だったから、青春という一時期が終わった後の彼らにはさして興味を抱かなかった。
あの生の蕩尽は若さの特権だし、それがなくなったらケチな犯罪者の貧相で退屈な生活しか残らないだろう…と思っていたら、続編が出てきたので驚いた。
聞けば原作者ウェルシュは前作から9年後に、30代になったレントンたちの物語を書いていたのだが、小生は続編までは読んでいなかった。映画の設定は20年後で、内容も別物だという。
本作は表面をなぞれば、中年を迎えたかつての悪ガキ連中が再会し、青春期のわだかまりにケリをつける姿を描いたものだ。
レントンはアムステルダムで就職、結婚していたが、仕事も夫婦生活も破綻寸前。相変わらず薬物依存のスパッドは仕事もなく妻子と別居状態で自殺を思う毎日、同じく薬物依存のシック・ボーイはちっぽけなパブを経営しながら、ケチな美人局をやっている。ベグビーは20年間ずっと刑務所に収監されたまま。
行き詰まったレントンがエディンバラに帰ったところから物語は再開する。スパッドの自殺を思いとどまらせた彼は、シック・ボーイに昔の分け前を返した上、一緒になって盗みや詐欺を働き始める。予想通りケチな犯罪に手を染めるケチな中年たちに成り下がったわけである。
ところがそこに脱獄したベグビーがやってきて、やがて彼と3人との闘いになる。最後に勝った3人はベグビーを刑務所に送り返し、それぞれ自分の居場所を発見していく。
大まかに言えばそのようなストーリーだが、ここでポイントになるのはやはり"Choose Life(生きろ)"だろう。かつて「Choose Life? バカじゃねえか」と鼻で笑い飛ばし、生を蕩尽していた彼らも、もはやそんな元気はない。
レントンは美人局の共犯者であるブルガリア女性にその言葉の意味を尋ねられて、初めは生を小馬鹿にしたセリフを並べていくのだが、最後には「Choose Lifeとは愛する人々を失って心が空っぽになっていくことだ」と、Lifeに逆に見離された不遇を嘆いてしまう。
スパッドは青春時代の記憶を書き残すことに自分の居場所を発見するし、シック・ボーイもベグビーを倒す戦いの中でレントンとの友情を確認し、最後にパブ経営に戻っていく表情はどこか納得した落着きを感じさせる。
少々強引にこじつければ、青春をひきずったまま中年になった3人が再会とベグビーとの闘いを通じて、いまだに中途半端だった生き方にケリをつけ、それぞれChoose Lifeし自己肯定していく姿を描いたのが本作ということになろう。
最後にレントンが実家で父とハグした後、自分の部屋で昔のレコードに合わせて踊り始める姿には、「ああ、自分の青春と折り合いをつけられたんだな」と、ホロリとさせられる。
「そう、泣けるよな」――エンドロールの末尾、SONYのクレジットの後、唐突に出てきた"Be Moved"の文字はそう言っているような気がした。
前作を観てからの方が
前作を観ずに今回の作品から観ていると、少し内容を掴めていない所が沢山あった。
ただ、カメラワークや音楽などがかっこいいなと感じた。
内容は、かつての仲間だったメンバーが20年の時を経て再び出会う事になる。
前作で金を奪って逃げた男が仲間の1人からどんどんと追い込まれていく。
そんな中で他のメンバーも集まって、またもやゴタゴタに巻き込まれる事になる。
この作品の凄さは、実際に二十年後に同じ役者が集まって同じ作品に出ている所かもしれないな。
年月も変わらないカッコ良さがあるなと感じる作品でした。
少しだけ大人になってしまった俺達
ユアン・マクレガーが変わらずカッコいい。
メンバーの内1人だけ、誰だっけ?? な俳優さんが 👀 台詞とキャラクターで、へぇ。( ダイアンも … 。)
スパッドを演じたユエン・ブレムナーが、いい味わいを。便器は今作もインパクトを残した。
前作の疾走感、焦燥感は目減りしたが、20年という月日の流れを出したいが故かも。
「 T3」、イマドキ女子のベロニカ( アンジェラ・ネディヤルコーバ )の登場で期待を繋ぐ。
BS-TBSを録画にて鑑賞 (吹替版)
20年という時の長さ
前作はとにかく汚いという印象だった。
そこから20年経って、変わらず社会の底でもがき続ける4人。
若さばかりだった頃と違って、人生何だったんだろうという思い。
それでも人格の根っこのところは変わらない。
なんだかんだ仲良しのサイモンとレントン。刑務所から出てきて変わらずヤバめのフランク。
それにしてもスパッドが変わらずでびっくりだった。20年経ってるのにすごい。
ラストシーンが心地よ過ぎる映画
ネタバレありで書きますが、ラストがとんでもなくいいです。
じんわり幸せと言うよりも、完全に脱力して、この世界にひたすら浸っていたいと思うラスト。
レントンと一緒に大音量で「Lust For Life」を流して踊りたいくらい。
アムステルダムに逃げて、それでも生活が上手く行かず行き詰ったレントンが願っていたのは、、
イギーポップを聴きながら仲間と酒を飲んで踊り、たまにドラッグをするような懐かしい日々。
だったんでしょうね。
それをやっと叶えて、心から落ち着き払った笑顔で踊るレントンに癒されました。
本当に良いラスト!
故郷ってやっぱり恋しいんですよね。
小さな頃から一緒に育った仲間も恋しいです。
過去を振り返れば必ずその風景や仲間も一緒に浮かび上がってくるわけですから。
改めてストーリーに関してですが、前作のトレインスポッティングを2日前に観直した状態で、出来るだけ予備知識を入れないように、期待しすぎないように。と注意して観ました。
結果、面白かったです。
予想はしていましたが、前作の若者らしい鬱屈したぶつけ場所のないモヤモヤから、40代の肉体の衰えや人生への悲哀も感じさせながら、こまめに笑いを取りつつ進める話。
メインはレントンとサイモン(旧シックボーイ)の掛け合いになりますが、二人の間に若いベロニカを挟むことで、適当過ぎるおっさん達のノリと勢いにいい突っ込みを入れていたように思います。
二人のポンコツぶりが無性にさまぁ~ずの三村に見えてしょうがなく、若い女子アナが突っ込みを入れて場を保つバラエティ番組のような雰囲気で観ていました。
大体の所、プロテスタントの集団に対して歌うシーンでの危機を適当な思い付きだけで切り抜けていく感じ。
おっさん達は動きは愚鈍だし、頭も回んないけれど、悪いことの場数は踏んでいるので逞しさだけは超一流。
レントンの適当に出まかせでつく嘘が堪らないです。
多分、プロテスタントからお金を奪う辺りまで、ベロニカから見た二人の印象って結構最悪だったと思います。
40代って、すぐ病気自慢するし、自分達しか知らない世代の話を大喜びでするし、若い世代の流行に痛々しさも自覚せずに乗っかろうとするし。
しかもあれだけ仲違いして裏で裏切ろうとしていたのに、ゲイかと思う程に仲良くなるし。
今まで一緒に居ながらも魅力を感じなかったサイモンに対しては、生き生きとした変貌ぶりに今までの自分への態度はなんだったんだ?という、ちょっと腹立たしいくらい。
と、そんな感じではなかったかと。
それにしても、サイモンは昔から見た目の割に使い物にならない口だけキャラでしたが、今回も途中から全く使い物にならなくなりましたね。
すぐ過去を持ち出して裏切ろうとするし、プレゼンでもろくにしゃべれないし、その他諸々、髪を染めている時のヨボヨボ感は結構痛々しいです。
それに対して、そんなサイモンと組んで話を前に進めていくレントンも適当なおっさんとはいえ、明らかにうまく回り始める展開にベロニカもレントンの凄さがちょっとずつ判っていったかと思います。
そして、人生を選べから始まるレントンの絶え間なく続く適当な言い回し。
この言い回しから女性が惹かれていく理由はいまいち判らないのですが、やっぱりレントンはサイモンと違ってバカじゃないんだ。と、同じように見えて明らかに能力の違うレントンの魅力が浮き立っていました。
こうなるとベロニカがレントンになびくのはしょうがないのかな?と思いながら、けれどここでまたサイモンから恋人を奪っちゃったらどうなるんだろう?と不安になりますが、初体験の相手からして同じ二人、この辺りの奪って隠しては宿命なんでしょうね。
スパッドも良い役回りでした。
口数の多すぎる二人と比べて、純粋で弱いくらいに心優しい昔の通りのキャラクター。
最終的にベロニカの持ち逃げを手伝うのはスパッドですが、スパッドがそれを容認したことが、ベロニカが持ち逃げしても二人は大丈夫と言う太鼓判みたいなものだったんでしょう。
彼の小説が奥さんだけではなく、いろんな同世代の人々の心を癒して欲しいと願います。
というか奥さんのラストの「タイトル考えたわ」って台詞はお洒落過ぎです。
二人の様子を一所懸命に気にしてないふりしてゲームしている息子の姿もいじらしくてたまらないです。
もし、10年か20年後に続編を撮ってくれるなら、スパッドには幸せになっていてもらいたいですね。
ベグビーは昔の通りのベグビーでしたね。
ちょろっと父親としての顔も見せますが、今回のラスボス的な扱いで、レントン達の仲間には加わらず。という事でしょう。
そんな感じで個人的には笑いながら楽しんで最後まで観切ってしまいましたが、でもやっぱり、この映画はラストシーンが本当に全てで、そして最高でした。
ベロニカに子供がいるのも驚きましたが、冒頭の通り、レントンの穏やかな顔。
本当にずっと浸りたいラストシーンでした。
映画作りに関してですが、前作と同様に、ファッション、音楽、映像と、どこを取っても素晴らしかったです。
レントンは前作の坊主から少しモヒカンっぽくなったものの、相変わらずのブリットポップスタイル。
40代になってちょっと小綺麗になっていましたが、きちんと洗ったM-65のフィールドジャケットで颯爽と登場するのはかっこいいです。
サイモンは前作と同じスーツスタイルですね。
スパッドも変わらず個性的。
ベグビーは刑務所で何食べてるんだ?というような太り方でしたが、相変わらずのトラッドスタイルで、アーガイル柄のニットをピチピチで着ていたのが印象的でした。
音楽も幅広い選択でしたが、前回ほどダークな選曲ではなかったです。
ポップな物やヒップホップ的なノリの良いものが多かったように思います。
この辺りはサイモンの趣味が変わったことも影響しているのかもしれないですが、余りヒップホップは詳しくないので良く判らなかったです。
因みに、ラストの「Lust For Life」はprodigyのリミックスらしいです。
少しアップテンポでパンチの効いたかっこいい仕上がりでした。
印象に残ったのはドラッグ後のQUEENの『RADIO GAGA』。
エンディングのひとつ前、ウルフ・アリスの『Silk』も良い展開です。
そう言えばエンドロールの最初にUnderworldの曲が流れて、バックで建物を破壊解体する映像が流れますが、あの意図はなんだったんでしょう?
建物は朽ちて破壊されても、人間の根っこは何十年経っても変わらない。とか?
映像も相変わらずかっこいいです。
おっさん二人が全裸で走る姿ですらかっこいい。
シーンやカット毎にかっこいいと思うのは、構図の選択が素晴らしくいいんでしょうね。
前作の映像や、子供時代の映像もストーリーと上手く絡ませて使いながら、テンポよく繋いだ映像が心地よい物ばかりでした。
最後に、3度目になりますが、ラストシーンが心地よ過ぎる映画!
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興味を持って頂けたら、プロフィールから見て頂けると嬉しいです。
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本当の続編
キャストが変わらず何十年も経ってから作れるのが素晴らしいですね!!
一番ダメ人間すぎたスパッドがここまで変わって小説を書いて、スパッドの今後が楽しみですね!!
相変わらずな人たちでしたが続編とゆうことで楽しく見れました。
相変わらず主人公はかっこいいですね、
あいかわらずクズ。そしてもう若くない。
シンパシーは前作よりありました。
だって彼らよりは若いけど、もう前途ある若者じゃないってことは同じだし。
今生きているこれが前途のはずなのに(©︎ビリートーマスbyアリーマイラブ)。ね。我が来し方に絶望しちゃうよね。
中年なりの必死の焦燥感と疾走感を味わうカタルシスがあります。
時々混じる前作のシーンもいい感じでした。
糞尿関係の下品さも抑え目だし。
にしても自分勝手でクズなところは変わらんので、どうにもならんなと思います。犯罪は卒業できひんのね。
スパッドにだけは同情しちゃいます。
スパッドの別れた奥さんが、ブリジットジョーンズのお友達さん役の人ですね。
期待値をしっかり超えてきた!
Trainspottingから20年。
15年前、学生の時にDVDで見た。
当時UK Rockにハマってる頃で、ファッション、音楽、軽快でセンスの光る編集にぶっ飛ばされたのを思い出した。
前作を受けて期待値が高い人が多いと思うが、その期待値をしっかり超えていると思う!
前作とリンクするカットや演出が多く散りばめられ、見終わった後に思わず1を借りに行ってしまった。
凄く上質な人間ドラマだ。
退廃的で、絶望的。
でもそこにひとかけらの希望がある。
____________________以降ネタバレ____________________
ど頭のシーンは前作のラストと同じ場所・同じ演出から始まる。
レントンが車に手をついてニヤっと笑うシーンや、トミーと共に4人で行ったスコットランドのど田舎の駅のシーンなど、前作と完全にリンクされたシーンが20年の歳月を感じさせる。
弁護士の女性は前作でレントンと関係を持った女子高生のダイアンかな?
レントンがサイモンの彼女に"Choose Life"の説明をするシーン。あれはきっとダニー・ボイル監督自身の言葉なんだろう。
そして、物語の鍵を握るのはやっぱりスパッド!
ラストの方でスパッドが書いた小説のタイトルを思いついたと話すシーン。あのタイトルは明示されないけど、きっと「Trainspotting」なんだろう。
それにしても「Born Slippy」の使い方がやっぱり格好良い!今聞いてもワクワクさせる。
中盤で挿入されるリミックスも、前作からの対比が暗示されてる様でとても良かった。
前作を観ている前提ではあるが、総じてクオリティが高い!
悲しみ、やるせなさ、クズの中のクズが生きるクソみたいな現実は、実際のスコットランドの状況ともリンクしている。
それでも生きていく人間達に理解を示せれば、きっと心に響くはず。
絶望と希望を描いた、偉大な続編
前作から20年後、T2の登場人物ちはその間何者にもなれずにただ年を取っただけだった。何も積み重ねることなかった中年の姿はあまりに悲惨。レントンやシックボーイはまだまだ外見的な格好良さはあるものの、内面が空っぽなので本当に痛々しい。
ただ、それを自己責任と切って捨てられないようにも思える。ベグビーの「俺たちの時代はチャンスがなかった」と言うセリフや、デート中にヴェロニカに対して一席ぶったレントンの言葉からは、自分の力ではどうにもならなかった悲しみも感じる。実際レントンはパクった金を元手に頑張ったがダメだったのだ。
彼らには、具体的なチャンスの無さだけではなく、「どうせ自分は意味ある人生を送れない」といった諦めが深く刻まれているように思えた。
しかし、この作品には希望も描かれている。スパッドの再生物語がそれだ。
ヴェロニカの言葉で自分の中に眠る可能性を直観したスパッドは、何かに導かれるように小説を書き始める。彼は人生に意味を見出したのだ。すると、20年止められなかったドラッグを止めることに成功する。心の奥底が変わると現実も自動的に変わるので、十中八九エンディング以後スパッドは妻のと関係も回復できるだろう。
例え中年であっても人は変わり得ることを伝えてくれる素晴らしいエピソードだ。
ベグビーが良心を思い出すシーンは白眉。スパッドの小説から良心の存在と父親との関係を思い出したベグビーは、家族に愛を伝え、息子を尊重し勇気づけるという今まで見せなかった一面を見せる。あの暴力衝動と支配しか知らないベグビーが、である。
ここで、20年目にしてはじめてベグビーが家族を思いやれる愛を持った人物であること、暴力にまみれた人生を送らざるを得なかった彼の悲しみを知るのだ。
このような深みのある人物描写は前作にはなかったと思う。確かにスピード感やスタイリッシュさは落ちたけれど、内容の濃度はアップしている。続編としてとても意味のある、心に残る名作だったと言えよう。
そして…トレスポと言えば絶対神イギーポップ大先生様の地球史上最高の名曲のひとつ "Lust For Life"である!
今回もプロテスタントから金をパクるシーンとエンディング、2回も流れたので、絶対神の信者である身としては本作品でも神の福音を聴くことが出来、大変な安らぎ(つまりアメージンググレースね)を得たのでありました。
♪もう若くないさと~きみにいいわけしたね~♪
♪もう若くないさと~きみにいいわけしたね~♪
時計じかけのオレンジのディムは警察官、
ワンダラーズのテラーは海兵隊、
ガキ帝国のポパイは機動隊、
もう若くないさと髪を切って言い訳をしながら、
君もみるだろうかトレインスポッティングの続きを、、、、。
80年代までは、やんちゃなガキも公務員になれたが
90年代以降は自己責任・・・。
そんな状況になっていても知らないフリをしている我々大人、
そう、子供たちに対する大人達自身の自己責任なんだな~実は。
オェー吐気してきたわー^ ^
40代のオッサンにとって今観るべき作品となっている(と思う)。
アーヴィン・ウェルシュの原作("Porno")が前エピソードの10年後を描いているのに対して今作は実世界の経年に合わせて20年後を描いている。ダニー・ボイルはあっさりと「原作はそんなに面白くなかった」と言ってしまっているので、映画として面白くするためには俳優たちの変化も最大限に反映させたものにしたいと考えたのだろう。その背景にある時代の変遷と現代のスコットランドの状況なども軽妙に絡ませた結果、その判断は成功していると思える。この年でさすがにもう前作のようなものは作れないよね、ということでもあるんだろう。
前作では主人公たちに寄り添うことは一切なかったのを記憶している。しかし今作では4人すべてに共感できることがある。そうなるといきおい楽しめるのは道理で、彼らをすでに知っているという前提があるとはいえ、今作では人物の描写が過不足なく書かれていて、そこも心地よい。前作では人物の内面の描写よりもトリップ感の表現に重きをおいていたし、ロンドンに行ってからのエピソードは取ってつけた感が強かった(編集のせいだろう)。しかし今作は破綻の無い本と編集で伏線などもちゃんとしている。今作の作りはその多くで前作を踏襲しているが、そのことでかえって時代の流れを感じさせているのも上手いと思う。それがつまらないと言われそうなトレスポではあるけれど、ダニー・ボイルが今更アレをやってもね。
オトコがひたすらダメでオンナがとにかくしっかりしているというのもいい。まあアイルランドやスコットランドを舞台にした作品では通底しているテーマではあるが。
ユニオニストが集まるパブのシーンが面白かったのであの歌詞と暗証番号の意味を知るために歴史を調べるハメに。ちなみに原作ではレンジャーズのシーズンチケットを持っているサポーターを標的にしていたが、同じことだ。
さらに20年後に続編があるのかどうか笑
ありがとう!監督!
いや〜今回も前作と同様に
失望とも希望ともいえる気持ちにさせてもらいました
鑑賞後の気分が1と2であんまり変わらないという素晴らしさ!でも彼らは成長してて、でも全然変わってなくて!
前作でレントンは唯一街を抜け出せたけど
結局気持も環境もあの頃と変わらず、出し抜いた仲間たちとも変わらず。
人はみんな同じなんですかね
レントンがベロニカに説教?するシーンは最高で、この映画のテーマぜんぶが詰まってる。
「人生を選べ」
20年こうして生きてしまったレントンが語るすごく重い言葉なんですけれども、そう言われても我々もまだピンとこないんです
ベロニカは選んで、いい道に行ったようだけど、、
いまだに何が正解かも分からない
その問いかけをしてくれるのがこの映画
考えるきっかけをくれるのがこの映画
でも進むしかないのかなと思ったりして
エンドロールに続くラストシーンもなかなか秀逸で見応えありましたね
あの部屋そのまんまだし
リアルとフィクションの交錯
20年前にトレインスポッティングをみた時が23歳。当時この映画にものすごく感化されていたのを思い出した。しがないビデオレンタル屋でアルバイトしていた青年は今や43歳。劇中の登場人物も見事に20年分歳を取っていて、あの人は今的な物語に妙なリアリティと、えもいえぬカタルシスを感じた。
主人公たちの破綻した人生と自分の歩んできた人生が照らし合わさって、同世代だからこそ感じられるトレインスポッター感??なんて言うのか物語が自分と繋がってる感じがことさらT2という映画を特別にしていた。
しょうもない、救われない、悲惨な人生なのに、ドラッグ中毒で人生をダメにしたスパッドの良心に、どんな人生でも尚希望を抱かずにいられなくなる気持ちにさせてくれる。
劇中でスパッドが書いた自分たちの物語は劇中では決して報われないのに、それがリアルに繋がって、いま自分が見ている映画になっているというフィクションとリアルの交錯がこの映画の1番の醍醐味でした。
よかった
前作は何度か見返しているのだが、何しろずいぶん前に見たっきりなのであまり覚えていなかった。アンダーワールドやテクノの良さを前作で初めて知ったくらいで、自分にとって重要な映画だった。
今回は続編としてはいい出来なのだろうけど、前作の革命的な感じは全然なかった。クズはクズらしく、みんな元気そうでよかった。
新潟では長岡でしかやっていないので上京中に観た。
新宿ピカデリーにて観賞
流石に語り口は達者で面白いことは面白いが、ベグビーの復讐を話の中心としたスリラーにするなら、『トレインスポッティング』の続編としてこの映画を作る意味はあったのか。
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