「漂う哀愁・・・それでも生きていく」T2 トレインスポッティング スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
漂う哀愁・・・それでも生きていく
1を見たのがつい最近なんで、リアルタイムで見た方のように懐かしさを感じることは当然ながら無かったですが、でも20年と言う歳月はやはり長いものだなと、前作から20年経ったキャストの姿を見て思わずそう感じてしまいました。
前作を見たのが最近だから余計にやっぱり老けたなぁと、当たり前なんですけど率直にそう思っちゃいましたね。
我々一般人の同窓会のように、誰が誰だか分からないレベルの変わりようではなかったですけど。
ただ見た目は変わっても、中身が相変わらずだったのは嬉しいような悲しいような、人は本質そう簡単には変われないと言うことなんでしょうか、冷静に見てしまったら、胃が痛くなるような作品でしたよね、これは。
まあでもこれは映画ですから、とりあえず同窓会映画と割り切って見るしかない訳で、そんな感じで冷静に見ないで楽しめば、変わってしまったもの、変わらないものをそれぞれ堪能出来て、結構面白かったです。
妙な連帯感を羨ましく思えたり、その歳で何してんだと心配になったり、まあとにかくいろいろな感情を掻き立てられる映画でしたね。
人生の成功者には絶対味わえない、変な連帯感、40過ぎて味わいたくはないですが、でも疑似体験ぐらいはしてみたいような(薬物は遠慮しておきますが)、まさしく映画的な魅力溢れるキャラクターだったなと、そう思わずにはいられない3人でした。
さすがにベグビーは強烈すぎるので、一応3人と言うことにしておきます(笑)
しかし20年経っても相変わらずスタイリッシュな映像には惹き付けられます、音楽のセンスも素晴らしい、ただ前作に比べてどこか見易い雰囲気の作風になった辺りは、ダニー・ボイル監督が新進気鋭の監督からもはや名匠と呼ばれる地位まで上り詰め、少し丸くなった印象を感じさせました。
映画通のように難しいことは分からない私でも、今回はスッと入っていけたので、その辺りも20年の歳月を感じさせた部分だったのではないでしょうか。
しかしまあ経済状況がより厳しくなってきた現状だからこそ、余計に哀愁が漂う作品になっていましたね。
前作はまだ若かったから良かったものの、もうおっさん・・・ホントおバカちゃんだ、やはり過去からは逃げられないものなのか。
立派に成長したダイアンと対比すると何か哀しくなってくる。
スコットランドで一番汚い便所がホントお似合いの面々でした・・・それにしても、やっぱりあの便所は欠かせないね!
一方、彼らとは対照的な、若いベロニカの存在が物凄く光っていましたね、妙にエロくて魅力的でした。
今後更に月日を重ねたら、彼らはどんな人生を歩んでいるのだろうか・・・ある意味恐ろしくてもう見れないかも。