「2回の途中トイレにも負ケズ─」ありがとう、トニ・エルドマン SHさんの映画レビュー(感想・評価)
2回の途中トイレにも負ケズ─
予想通り、いや想像以上に長かった。当初は、エンタメ的なコメディーだと思っていたけれど、これはリアルヒューマンドラマだと感じたせいもあってかなりの忍耐を要した。
実際の尺の長さも知っていたし、始まった瞬間にドキュメントタッチだったので、すぐに集中するのをやめて、ガラガラの劇場のど真ん中、靴・靴下脱いで緩い気持ち行こうと決めた。おかげで2度もトイレに行ってしまったけれど、決して話に置いていかれることなく、大いに笑い涙した。
淡々としていて、かつ突飛であり、それでもリアリティが強い不思議な作品であった。リアルの中の驚きで、泣き笑いさせられた気がする。
素直なままの現代社会を見せつけられ、決してこの世を賛美しているわけでもないしむしろ批判的な視点で捉えているようにも感じるにもかかわらず、今いる自分の世の中を何となく受け入れることができるいわば幸福感のようなもので満たされた思い。
とにかくザンドラ・ヒュラー演じるイネスに魅せられた。
でも、やはり長すぎる。
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