「親子の関係とは何かを描いた名作」ありがとう、トニ・エルドマン pippo9さんの映画レビュー(感想・評価)
親子の関係とは何かを描いた名作
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今作のダラダラとしたテンポと、ラストのあっさりとした終わり方、これはどちらも親子の関係の在り方をそのまま映画的に表現している様に思えます。
いつまでも親父のしょうもない冗談を聞かされ続け、こんな時間が永遠に続くのかと思っていると、いつの間にか映画は終わってしまいます。
自分の側にいて当たり前だと思っていた家族も、いつの間にかいなくなってしまう。そんな時になってから後悔しない様に、あの親父は娘に「人生の素晴らしさ」を身をもって伝えようとしたのだと思います。
そして娘が、祖母の帽子と親父の入れ歯という、過去の家族の思いを受け継いだ時に、親父は安心してひっそりと舞台から降りることが出来るのです。
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