「ちょっと小説版の『マジソン郡の橋』を想い出しました」心に吹く風 麻布豆ゴハンさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっと小説版の『マジソン郡の橋』を想い出しました
あの『昼顔』のようなモヤモヤ感や納得のいかなさ、後味の悪さはありませんので、ストレートに胸キュンしたい方には絶対お勧めです。
また、劇場版『マジソン郡の橋』みたいに余りにお年を召しすぎたメリル・ストリープの怪演技に戸惑わされることもありません(笑)。
(それでもパッとしない中年の、年甲斐も無いパッとしない恋とか思うお若い方はどうぞご遠慮下さいね)
同じような出会いと別れの話でも、こちらはプロットに破綻や無理を感じること無く淡々と静かに物語が進んでいきます。
初恋と結ばれない(許されない)恋の、両方の切なさと哀しさと美しさが素直に味わえました。
主演の真田麻垂美さんと眞島秀和さんの、静かで感情を抑えた大人の演技がとても好感が持てます。
特に真田さんの、物語が進むに従い、これまでずっと何かを諦め、凍らせ、封印してきたその心が次第に解けていき、初恋の彼への隠しきれない思慕と揺れる心を垣間見せていくその表情がすごく魅力的でした。
15年ぶりくらいの映画出演だそうですがとても雰囲気のある女優さんですね。
美瑛・富良野の美しすぎる景色の中で、風のさやぎや光のきらめきと共に切なく哀しく美しく紡がれていく純愛の物語。週末にもう一度映画館に足を運びたくなる良作でした。
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