劇場公開日 2017年11月18日

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「映画的な表現を大切にした、舞台の映画化作品」泥棒役者 sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0映画的な表現を大切にした、舞台の映画化作品

2025年8月1日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

一緒に見ていた妻が「あれ?これ前に見たことあるよ」と言い出した。
座組には既視感があったし、妻いわく「見ながら“演劇っぽいね”って言ってたよ」とのこと。でも、内容だけでなく、見たことすら覚えていない自分が怖い…。

という訳で2度目の鑑賞だったが、面白い映画だった。
誤解が誤解を呼ぶ、ハラハラドキドキで押しながら、途中からは結構泣かせる場面もあって、終わって見れば、それぞれ足りない部分があるからこそ、人って愛すべき存在なんだなと感じさせられる。
登場人物一人一人に気持ちを寄せられるし、ストーリーとしても、広げたものを終末でキチンと畳む展開がよかった。

映像的には、ファーストシーンから高畑充希登場までの表現のスマートさもよかった。かわいい手描きの新しい表札がくっつけられたドアがアップになるだけで、実際に高畑充希が映る前に、2人の関係性や人間性までわかる。
舞台作品の映画化というのは確からしいが、いわゆる演劇らしい屋敷内のワンシチュエーションのやり取りに対して、屋外のシーンはあえて解放的にして、ちゃんと映画的な表現を大切にしようとされていることが伝わってきた。

個人的には、最後、ちょっと説明しすぎて野暮ったくなってしまったと感じたが、それは広げたものを畳む行為の一つなので、これでスッキリという方も多いかもしれない。

片桐仁ときたろうの舞台版も観てみたくなった。

<追記>※ここから内容に触れます。

宮川大輔も高畑充希も片桐仁演じる隣の高梨も、映画版で加わったキャラクターとのこと。
それらがなければ、「キミとまた」ですっぱりと終われたのに、追加キャラが、追加の2エピソードとエンドロール後の描写が必要になる原因になってしまったのではないか。そう思うと残念な気持ちになる。

sow_miya
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