「音楽は最高。ストーリーは薄め」グレイテスト・ショーマン 落ち穂さんの映画レビュー(感想・評価)
音楽は最高。ストーリーは薄め
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クラシックではなく、バーナムが現代にいたら取り入れていただろう先進性をもった音楽が、文句なく素晴らしい。この音楽があったからこそ、ショーもワクワクする華やかさを感じられたのだと思う。
しかし、「ラ・ラ・ランド」でもそう感じたのだが、登場人物に深みがない。
まず、長い貧困生活に文句も言わず幸せだと思い続けられる上流階級出の妻。こんな聖人いるのか?
バーナムも、成り上がりであるというコンプレックスを理解しあえる歌姫と駆け落ちでもしてしまうのならまだしも、妻一筋で浮気なんて考えてもいませんでした☆なんて、全く感情移入できなかった。
そして、ショーの仲間たち。この映画は差別問題がメインでないのはストーリー序盤から予想できていたので、彼らの描写がペラペラなのは仕方ないと思っていたのに、下等な道具扱いされても自分たちに誇りを持って働ける場を提供してくれた主人公に感謝できる、それほどまでに被差別者の現状が厳しいということをチラッとみせたりするのはどうなんだろう?
ただでさえあちこちに話が飛び薄くなりがちなストーリーに、更に共同経営者と黒人女性とのラブストーリーまで入れ込んで、全体の印象が益々ぼやけた感じになった。
とは思ったが、万事ハッピーエンドで、何よりショー(特に共同経営者を口説くシーン)と音楽がとても素晴らしかったため、満足できた。
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