「等身大の人間が描く迫真のドラマ」レッド・スパロー お水汲み当番さんの映画レビュー(感想・評価)
等身大の人間が描く迫真のドラマ
これはスパイ映画ではあるものの、アクション映画ではありません。
それこそが、この映画の最大の魅力なのでしょう。
人を信じることができない国で、スパイになることを迫られ、強要され、その道を選ばざるを得なかった者たちが、人間としての苦悩を背負いながら追い込まれていく様子には、一種異様な胸騒ぎと感動を覚えさせられます。
もちろん、人間の心理を操って自由自在に動かすためのプロセスなども豊富に実例が盛り込まれています。
人間の本質とは何か。
人をうならせ、エモーションをかきたてるドラマとはどんなものか。
そういう映画を観たいと思う人にこそ、お勧めできる、凄い映画だと思います。
と同時に、こういう映画も作られるハリウッドという存在を、心底うらやましく、また恐ろしくも感じたのでした。
あと、旧・共産圏をはじめとする、「言葉に担保力がない地域」へ赴任する人は、漏れなく観ておいたほうが良いかもしれない映画だとも感じました。
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