「英国風のユーモア」キングスマン ゴールデン・サークル 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)
英国風のユーモア
ビシッと決めたスーツ、いろいろな仕掛けのある車や小物など、ジェームス・ボンドを彷彿させる秘密組織活劇だ。イギリス映画だから007に対するオマージュは当然あるだろうが、新たな切り口もあり、ハッキングやドローンが普通に扱われている。そして主人公は必ずしもスーパーマンではない。
こういう作品が陳腐にならないためには、情に流される場面を入れないことだ。どこまでもドライにスマートに物語を進めることで痛快な作品となる。
本作品では、それに加えて英国風の辛口のユーモアとグロテスクな場面をスパイスのように入れ込んでいて、楽しく笑えるけれども底流には非日常の非情さが厳しく横たわっているという、生真面目なイギリス紳士みたいな映画に仕上がっている。笑えてそしてスカッとする、娯楽作品の傑作である。
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