劇場公開日 2018年1月5日

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「『キングスマン』は娯楽映画のマナーを忘れず」キングスマン ゴールデン・サークル 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5『キングスマン』は娯楽映画のマナーを忘れず

2018年1月9日
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鑑賞方法:映画館

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おはよう、エグジーくん。今回の任務を伝える。
“キングスマン”が麻薬組織“ゴールデン・サークル”の襲撃を受けた。アメリカの“ステイツマン”と合流し、“ゴールデン・サークル”の壊滅に当たってくれたまえ。
任務の成功を祈る。
尚、このメッセージは自動的に…(プシュ~)

…と言う事で、昔ながらのスパイ映画を現代的センスで色付けした快作スパイ・アクション、第2弾!
開始1分でノリノリの音楽に乗せて、迫力の車内&カー・アクション!
ユニークなスパイ・グッズの数々、
過激なバイオレンス、
ドラッグ問題、傲慢な米大統領、○○○を吸う王女様などなど、タイムリーな題材やシニカルなユーモアも。
今回もサービス精神たっぷりに、マシュー・ヴォーンは娯楽作のマナーを忘れず。

続編のマナーは、スケール&パワーアップ。
アメリカは勿論アルプスの雪山など世界を股に掛けた活躍は元より、人気俳優や3名のオスカー俳優新参戦のキャスティング!

今回の敵、“ゴールデン・サークル”。
カンボジアの山奥に拠点があり、それが何故かダイナーなどノスタルジックな70年代のアメリカ風。
ボスのポピーは一見エレガントだが、相当イカれた女。
彼女の目の前でとある肉を用いた特製手作りバーガーを食べるシーンは、ある意味拷問…!((( ;゚Д゚)))
ジュリアン・ムーアが余裕の女帝っぷり。
にしても、前作のサミュエルもそうだが、英国紳士スパイの敵が如何にもな“THEアメリカン”なのが面白い。

某大統領曰くアメリカは正義だから、敵ばかりやってられない。
表向きは酒造業、しかしその実は、カウボーイ・スタイルの私設スパイ組織、“ステイツマン”!
ジェフ・ブリッジスやチャニング・テイタムは思ってたほどの活躍は無かったけど、ハル・ベリーがナイスサポート!

サプライズゲストも何人か。
ポピーに誘拐され、超大物歌手が本人役で出演。それなりに見せ場も設け、彼は“お友達”。
米大統領はいつものアノ人。この人、すっかり大統領役の常連になったね。

タロン・エガートも立派な英国紳士スパイに。
登場シーンは恩師のハリーを彷彿させた。
プライベートは不良少年に戻って、友人たちとワイワイガヤガヤ。
って言うか、ちゃんとあの王女様と交際してるし(笑)
前作でナイスサポートだったマーク・ストロングは今回も。と言うより、“カントリー・ロード”に…(T_T)

そして、今回の最大の話題は、まさかのアノ人の復活!
本来ならネタバレNG級だが、予告編やポスターにも堂々と出てるし、大っぴらに言えるのが有難い。
ハリー!
前作で死んだ筈の人物が実は生きていた!…と言うのは禁じ手級の展開だし、生きてたのはいいものの記憶喪失に…と言うのもお決まりだが、やっぱり彼ナシで『キングスマン』は始まらない。『MIB』のトミー・リーみたいな存在。
エグジーが序盤でハリーを思い出しうっすら涙を浮かべ、ハリーが記憶を取り戻し二人が抱擁するシーンなど、師弟を超えた二人の絆もそれとなく。
素行悪い連中にマナーを説くお馴染みのシーンにニヤニヤ…あ、あれ!?
まだ身体が完全じゃないハリー。頭の中を蝶々が(笑)
今回、ちょっとお茶目なコリン・ファース。でも勿論、紳士的にキメてくれる。

140分の長さを感じさせない娯楽に徹した作りは飽きさせ無かったが、色々面白味をたっぷり詰め込み過ぎたせいか、多少飽和状態は否めず。
“ステイツマン”には裏切り者が…など話の展開も予想出来、前作のソフィア・ブテラのような特異なキャラ不在が惜しい。
また、アメリカンなノリに染まり、不良少年が英国紳士に成長するようなドラマ的要素や上品さが損なわれたのもちと残念。
なので、採点は前作よりちょっと控え目だが、それでも上々の面白さ、新年最初の劇場鑑賞にいい景気付けの娯楽作!

次があるとすれば、“プリンスマン”かな…?(笑)

近大