「前作のガゼルに匹敵する強烈なヴィランが欲しかった」キングスマン ゴールデン・サークル AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
前作のガゼルに匹敵する強烈なヴィランが欲しかった
第1作は最高だったし、今作もスケールアップしてより複雑なストーリーを紡ぎつつ、前作の世界観や過激な暴力描写をしっかり踏襲していてかなり満足できた。だが「前作を超える出来」と絶賛するほどでもない。
物足りなさの一つは、前作でソフィア・ブテラが演じた両足のブレードの義足を武器とする殺し屋ガゼルのような強烈なヴィランの不在だろう。ジュリアン・ムーアももう一人の強敵(終盤で明らかになる)も悪くはないが、ガゼルに比べると凄みも魅力も弱い。スパイアクションでもアメコミヒーローでも魅力的なヴィランが作品をがぜん面白くする。「ダークナイト」が傑作になったのもヒース・レジャーが魂込めて演じたジョーカーが素晴らしかったからだ。
もう一つ、「威風堂々」をBGMにお偉方の首がボンボン花火みたいに打ち上がる、あのイカレた爆笑シーンに比肩する狂いっぷりが今作では足りなかったかな。第3作での挽回に期待しよう。
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