「稚内の毛ガニはおっかない!」探偵はBARにいる3 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
稚内の毛ガニはおっかない!
SMクラブのメニューに“意気消沈”、“阿鼻叫喚”、“人間失格”と書いてあった。4番目は覚えきれなかったのですが、とんでもない内容なのだろう。やはりススキノの猥雑さは面白い。こんなススキノの一角にあるBARを根城とする探偵(大泉洋)と相棒の高田(松田龍平)。高田の大学の後輩であるという原田から、恋人である麗子(前田敦子)と連絡が取れなくなり、捜してほしいという依頼が舞い込み、気軽な気持ちで調査を始めるのだった。
冒頭、トラックの助手席に乗っている麗子。道を塞いでいた車の男に運転手・椿が射殺されるというショッキングなシーンだが、椿も拳銃を握っているという、謎めいた恐ろしさが感じられるプロローグ。地道な調査の末、ピュアハートというモデル事務所に行きつく探偵。そこは体のいい風俗の店でもあり、オーナーのマリ(北川景子)とは初めて会った気がしなかった。明らかに麗子がいたと思われる節があったのだが、その後、暴力団風の男たちにぼこぼこにされる探偵と高田であった・・・
マリに翻弄されるうち、次第に大きな事件に巻き込まれていく探偵たち。マリの上には大物実業家でもある暴力団の北城(リリー・フランキー)がいるので、付き合いのある対抗する暴力団に相談を持ち掛ける。しかし、事件は北城側がメインとなっていて、白い粉を奪い合う内紛だったという展開。
マリの過去と、探偵との接点。それが作品のクオリティを底上げする心理描写となっている。アクションは控えめだったが、終盤の殴り合いの場面ではスローモーションを多用して、実際に拳を当てているのが特徴の1つ。どうしてそんなに大金が欲しいのか?と、謎めいたサスペンスも見どころなのだろう。
本編中に日本ハムファイターズの栗山監督も登場しているのですが、1年前の優勝を語っているところが時間のギャップを感じてしまう。続編を考えてみると、大谷翔平はもう登場する機会もないかもしれないものの、清宮幸太郎が登場する可能性は十分ある!