「風当たりの強い道の、先頭を歩く者たち」ドリーム 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
風当たりの強い道の、先頭を歩く者たち
アメリカがソ連と宇宙開発を競っていたころ。NASAのあった当時のバージニア州は南部だけに、人種隔離政策がなされていた。つまり黒人差別。トイレも学校も図書館もバスの座席も、どこにいっても「Colored」と表記されて区別されていた。もちろん今ではそんなことはないが、そうなるまでに誰かがまずその壁に挑み、権利や平等を勝ち取ってきた人たちがいた。これは、そんな女性三人の物語。
偏見や妬みにあいながらも、彼女たちは皆、常に前向きで、へこたれず、努力家で、勇敢で、そしてチャーミング。そして幸いにも彼女たちには、わずかだが力強い協力者、理解者もいた。そんな人間関係が見ていて気持ちがいい。意地悪をしていた連中をギャフンと言わせる古臭いストーリではなく、地道に実力と努力を認めさせていく過程が胸を打つ。
なんと本国では「ラ・ラ・ランド」より稼いでいるっていうのも、うなずける話だ。
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