「彼女たちこそ『ライトスタッフ』」ドリーム 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
彼女たちこそ『ライトスタッフ』
アメリカがマーキュリー計画を推進するにあたり、計画の成功に貢献した、黒人女性エンジニアたちの活躍を描いた作品。
そう言えば、宇宙開発を描いた映画には、『ライトスタッフ』や『アポロ13』とかありますが、これらには白人男性しか出てきていないですよね?特に、『ライトスタッフ』は、この作品で描かれているマーキュリー計画を、宇宙飛行士の側から描いたものですが、その成功の陰には、こんな話があったとはね。
この物語は、1960年代初頭。公民権運動が盛んになる時代よりも、もっと前の時代。南北戦争では、南軍側についたバージニア州での話ですから、この作品で描かれたくらいの事は、“普通”だったんでしょうね。なんか、私の感覚から行くと、おぞましい差別ですけどね。ちまたの一般市民ならいざ知らず、みんな科学者なのにね・・・
新鮮だった?のは、IBMのメインフレーム計算機導入のくだり。コンピューターの大きさもまともに考えられない人たちが宇宙計画を推進しているって、何というパラドックスなんだろうと思いました。
当初予定されていた邦題は『ドリーム 私たちのアポロ計画』と言うもので、“私たちのアポロ計画”と言う【全く意味不明】の言葉が付け加えられていました。ですがこの作品は、アポロ計画ではなく、マーキュリー計画を描いた作品であるので、“私たちのアポロ計画”と言う言葉は全く不適切なんですよねぇ。結果として、邦題は『ドリーム』と言うシンプルなものになりました。
原作となっているのはノンフィクション小説ですが、物語をわかりやすくするため、ドロシー・ヴォーンの昇進のくだり(実際には、1949年の段階で昇進していた)、メアリー・ジャクソンの学位取得のくだり(実際には、1958年の段階で学位を取得し、エンジニアになっている)、アル・ハリソンの役職(実際には、アル・ハンソンの役職にあったのは別の人物)など、史実との相違点も見られているそうです。
って言うか、ケビン・コスナーかっこよかった(笑)