「”三度目”とはなんだったのか。何度でも観返したい作品」三度目の殺人 映画野郎さんの映画レビュー(感想・評価)
”三度目”とはなんだったのか。何度でも観返したい作品
大好きな是枝監督作品かつアカデミー賞受賞したのにまだ観ていなかったのだが、TV地上波で早くも初放送されたので録画して鑑賞。
これは受賞すべき作品だとすぐに納得。是枝監督はすでに名実ともに日本映画史に名前を残す代表的なひとりとなったと思う。
この世の法律や司法制度の保守化や矛盾を風刺しながら、本当の罪とは、それとの向き合い方とは、そして人の命の尊さとはを、重い静かなトーンでグサリと抉ってくる内容。
ほぼ刑務所の面会所での弁護士と容疑者の男とのやりとりで話が進む構成に、その細かややりとりや駆け引き、心の葛藤が繊細に浮かび上がる。そこで際立ってくるのが役所広司の本心がどこにあるのかを迷わせるあの目の奥の演技は圧巻。
男が本当は何を思いどう行動したのか、またそれに関わる人たちの心の内は…いろんな見方があり一度では捉えきれなかった。近々にもう一度観て咀嚼したい。
そして、”三度目”に込められた意味は…
是枝監督が切りとり紡ぐテーマに今後も目が離せない。
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