「弁護士って、お金さえもらえれば誰でも弁護するのかしら?」三度目の殺人 ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
弁護士って、お金さえもらえれば誰でも弁護するのかしら?
今まで観たことのない裁判映画。
犯人は誰か?
この中で一体誰が嘘をついているのか?
など、たくさんの人の証言から推理して犯人当てをする映画ではありません。
この作品では、事件の真相を探るのではなく、一人一人の証言から導き出される、一人の男の裁判を描いています。
弁護士の質問に対し、コロコロと発言を変える男の供述。
そこには、一人の少女をかばうための悲しい秘密があるのかと思いきや、少女自身も虚言癖がある様子…。
バラバラとしている発言が続き、何がなんなのかよく分からないというのが正直な感想。
でも、この映画は事件の真相を求める為に作られたわけではありません。
1つ1つの言葉の意味を汲み取ることで、些細な会話の中にハッとさせられる部分か沢山詰まっているのでしょう。
しかしながら、彼が突然無罪を主張しても、検察や裁判官の都合で全てうやむやにされてしまう現実…。
えげつない社会の仕組みによって、一人の男の命の明暗が決定づけられてしまうだなんて…。
真実は闇の奥底にあるからこそ、真相は最後まで見えません。
答えを考えるのは視聴者。
そして、監督はその答えわ持っているのか?
最後の最後まで謎に包まれた映画でした。
映画通には受けそうですが、万人ウケは難しそう…。
だからこそ、是枝監督の珠玉の作品だと私は思うのでした。
個人的に、かなり難しかったというのが正直な感想ですが…。
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