ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏のレビュー・感想・評価
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視点を変えたら面白さが増したかも
替え玉作家騒動とか美少年作家捏造事件といった予備知識を得て鑑賞する方が大半だろう。実話に基づくドラマで、クリステン・スチュワート演じるサヴァンナの自伝が原作なので、基本的にサヴァンナの視点で進む。J・T・リロイの筆名で「男娼になった少年の自伝的小説」を書いたローラ(ローラ・ダーン)に出会い、ローラからリロイになりすまして取材を受けるよう頼まれる。最初は乗り気でないサヴァンナだが、著名な映画監督やセレブからちやほやされるうち、リロイを演じることにのめり込んでいく。
ただし騒動の概要を既に知っていると、サヴァンナの内面がサスペンス要素として機能しづらい。これがもし、謎めいた美少年作家に魅了されたファンか、リロイに疑問を抱き真相に迫ろうとするジャーナリストの視点だったら、リロイの素性も映画の謎として機能し、より面白くなった気がするのだが。スチュワートとダーン、どちらも好演しているだけに惜しい。
かさぶた
サヴァンナが美しい。儚さ脆さ危なかしさを出し、皆んなを騙している事にはなるのだが味方したくなる。
実際の話を知らなかったので、いつ真実が明らかになるのであろうかと。現実、これが実話に基づき映画にもなっているのだから嘘がばれたのは明白なのだが、誰の目線で描かれたのか分からないまま鑑賞していたのでサヴァンナが壊れなければいいがと思っていた。
最後まで観て、小説書いているという話からこれはサヴァンナが書いたものだとわかり成る程と。
ローラは出てきた時から不思議感を出していたので、この人はもう既に精神的に追い込まれているのでは、恋人も息子かと思うくらいでバンドにのめり込み感じは不自然。どこまで事実と合わせているのかは分からないが、サヴァンナ目線で描くとこうなるかと。
そもそも知らないと…
J・T・リロイや、本、ましてや、この事件そのものを知っていれば見方が大きく変わったと思うし、もっと楽しめただろう。私は全く知らず、この現代においてそんなことあったのかと驚いた。人気作家や漫画家が顔を出さないのはよくある話だが別人に演じさせるとは。中性的でミステリアスな雰囲気をクリスティン・スチュワートが好演している。嫉妬するローラもわかる。エヴァを演じたダイアン・クルーガーも好演だった。エヴァは事実をある程度知っていて利用したのだろうか。この映画だけ見ると、別人を演じたサヴァンナがエヴァに本気で恋をしてしまい、JTを演じるのに苦しみだしながらも、今となって一夜の過ちはJTだからだったのか、酔った勢いだったのか定かではなく、エヴァには受け入れられず、想いを諦めたという失恋ストーリーと?映ってしまった。もう少し、この最大の秘密、面白く描けなかったのか
【”架空の人物を演じ続ける虚しさ・・・。”と、その人物を造り上げた人々、振り回された人々を描こうとした作品・・。】
―”J・Tリロイ事件”
2000年代半ばの実話。
母親から、男娼となる事を強制されて育てられた男性、”J・Tリロイ”が、自らの生い立ちを綴った
「サラ、神に背いた少年」を文壇に発表し、一躍時代の寵児になった。
けれど、J・Tリロイは、実は・・・。ー
◆感想
・J・Tリロイを演じた、サヴァンナを演じた、クリスティン・スチュワートの、今ままでのイメージを払拭するような、短髪で、中性的でボーイッシュな姿は魅力的。
・J・Tリロイに惹かれる女優で、映画監督でもあるエヴァを演じた、ダイアン・クルーガーも、当然美しく、魅力的。
・サヴァンナにJ・Tリロイを演じるように”軽い気持ち”で依頼した、「サラ、神に背いた少年」の本当の著者、ローラ・アルヴァートを演じた、事態が自分の想像を超えて大きくなっていく事態を楽しみながら、サヴァンナと共にマスコミに徐々に追い詰められていく姿を演じた、ローラ・ダーンも魅力的。
<だが、映画を観ていて、彼女達の姿は魅力的ではあるが、作品には魅力を感じられなかった作品。物語の流れが、場当たり的で、サヴァンナのアヴァターを演じ続ける事に、悩む姿も弱い。
ダイアン・クルーガーのJ・Tリロイに対する態度の変容の仕方も違和感がある。
当時、J・Tリロイを絶賛した、数々の著名人の中で、コートニー・ラヴ(故、カート・コヴァーンの奥さん)が実際に出演しているのには、少し驚いたなあ・・。>
覆面よりもインパクト
2001年、30代の女性(ローラ・ダーン)が、J・T・リロイという名の少年として小説を発表、評判を呼ぶ。
彼女の恋人の妹(クリステン・スチュワート)が変装して替え玉になる。
これが実話とは驚くが、メディアに出るときは覆面すれば、なんて単純に思ってしまう。
二人の女優がとてもいい。
J・T・リロイになれなかった二人
"ターミネーター"ジェレミア・リロイを名乗るローラ・アルバートのドキュメント映画「作家、本当のJ・T・リロイ」を公開時に鑑賞して以来、今度は自伝的映画をリロイに化けたサヴァンナ・クヌープの目線から描いた本作。
トム・ウェイツやガス・ヴァン・サントまで騙されていたって事実、そこに興味が湧いた訳でドキュメントを鑑賞後に「サラ、いつわりの祈り」も観ていないし、著作を読むこともなく、本作も映画館はスルーした位に興味心も薄らいだ今現在。
キュートでパンキッシュなLOOKが様になるクリステン・スチュワートはジョーン・ジェットを演じられる格好良さと、清々しい脱ぎっぷりは「オン・ザ・ロード」に引き続きな潔さ!?
本人が原作で脚本にも関わった割に描いているのは女優に恋をしてしまった物語が中心で、騙してしまった側と騙された側のハラハラ、ドキドキするような演出描写に物足りなさが残る。
美しすぎ!
「作家、本当のJ.T.リロイ」はローラからの視点だったけど、
こちらは、サバンナの視点。、
映画としてきちんと脚本されてて、あまり深くはえぐってない感じで
キレイにまとめられていて観やすく面白かった。
そして、なによりクリステン・スチュワートの中性具合が半端なくって
美し過ぎて、ただただ見惚れる。
今の日本なら問題にならないレベルのフェイク
ちょっとクリスティン・スチュワートが綺麗すぎひん?キュート過ぎひん?どう見てもボーイにゃ見えへんけど?ってのは置いといて。
最初の替え玉撮影も、イタズラ心なんかでは無く、ローラの心理的逃避だった訳で。陰の部分はナレーションと電話の会話なんですが、もう少し何かの描写があった方が…
サヴァンナにしても同じ。内心、わかりにく。と言うか、分からへんがな。
ちょっとフラット過ぎんかなぁ、全体的に。と思いました。
実際、どれくらいの大騒ぎになった事件なんでしょうか?洒落で済まされへんの?これって。
謎
何故、本作を書いた作家が、わざわざJTを作り上げたのか。その動機がよくわからなかった。またJTになりきった若き女性も、全くの疑問さえ抱かずに演じきっている理由も、よくわからなかった。全てが謎だらけの映画でした。
業界人のしたたかさ
ベストセラー作家が表に出ず、影武者じゃないけど、他の人を立ててた話なのね。
最初は影武者も言うこと聞いてるんだけど、そのうち作家として会った女優を好きになっちゃって、ちょっと影武者やめちゃうっていう。
途中のシーンでは女優が作家に首ったけみたいな感じなんだよね。「やっぱり才能あるってモテるな。女優もオチた」と思ってたんだけど、違うの。映画化権が欲しくて気のある振りしただけなんだよね。
その女優のしたたかさが印象に残ったな。
虚偽と現実のはざま
J・T・リロイの事件は映画前から知っていたのでこの映画はわかりやすかった。
操り人形となっているが、虚偽の人物を演じていくうちに演じることに魅了される自己満足、自己顕示欲といった感情をこの事件は典型的に醸し出している。虚偽の人物をである他者へのサヴァンナの憧れ、架空の人物を通じて自己表現するローラ、架空の人物に救われる読者など、非常に自己というものについて考えさせる作品だった。ラストでようやくローラとサヴァンナが本当の自分というものを見つけることができたのではないかと感じた。
ここはがんばって星を上げてみよう。
このサイトでは評価が低いので、微力ながらこの映画を弁護したい。
クリステン・スチュワートはギリシャ彫刻を具現化したような美しい女優である。長年シャネルのアンバサダーを務めたその美しさに、圧倒されない者はいないはず。性別を超えた美しさでは比類ないこの女優があって、本作が成立した。
映画は、美しい物語を描きだし観客に物憂い人生を一瞬忘れさせることで成立する興行だ。美しい物語に説得力を持たせるには、美しい容姿を持つ俳優が必要となる。その前提が整ったとき、大衆を動員することが可能になる。
ことほどさように「物語」を宣布するためには、それにふさわしい象徴を必要とする。正力松太郎やゲッベルスはそのことを熟知していたため、大量動員に成功した。彼らより小さな成功例はいっぱいあるはず。
「サラ、いつわりの祈り」を書いたローラは、この小説が大衆に広く受け入れられるためには、その文学的価値とは別に、物語に説得力を付与するアバターを必要とすることを理解していた。繊細で少年のような外見。ローラがパートナーの妹に小説の主人公のイメージを見出したとき、「映画」は急速に駆動する。
ダイアン・クルーガーが演じるエヴァは、興行の世界でのしあがるために、一部の真実を知りながら、ローラが創出したアバターを利用する。映画だけでなく映画界においても「虚実皮膜の理」が支配しているらしい。
こんな小難しい話をしなくても、この映画は普通に面白い。バレる・バレないのサスペンスは最後までだれさせない。アバターに嫉妬するローラの演技はさすがオスカー女優の貫禄。
約110分間、物憂い人生から遊離できる映画だ。
C.スチュワートファン必見
改めてこの作品内で表現されてることが実話ベースである事に驚いた。
いくらなんでもいつかはバレるのは客観的に見ててもわかるのに…なんて事を時折思ってしまう。
この作品の面白いところは架空の人物リロイに対してローラもサヴァンナも魂を与え過ぎて返って自分が傷ついたり苦しんだり振り回されてしまうところだ。
特にサヴァンナ演じるC.スチュワートの苦しむ姿は、実際の彼女をまるで見ているようでとても引き込まれる。
実話ベースとはいえこの出来事は恥ずかしながら僕は知らなかった。
その為映画を楽しみながらこの話を知るわけだが、ストーリーはまぁあまり大きな展開もなく予想通りな展開でやはり嘘は良くない。人を騙すことは同時に自分を傷つける事になるといった流れで最後まで淡々と話が進む。
あまり知らない俳優さんが演じてればあまり魅力ある作品には思えなかったかも知れないが、上にあげたとおりC.スチュワートが演じることでリアリティが増し作品の面白みを増した気がする。
そうなるとローラが作中で拘ってたイメージというのはやはり大事になるんだなと実感する。
C.スチュワートには是非こういった役をこれからもどんどん演じて欲しい。
今こういう役を魅力ある演技をしてくれるのは彼女が一番な気がする。
美しくカッコよく、そして切なく…彼女のファンなら是非観て欲しい作品だ。
タイトルなし
作家J・T・リロイ
18歳の少年の自伝小説
「サラ、神に背いた少年」
映画化された
「サラ、いつわりの祈り」
.
時の人となった
J・T・リロイは存在しなかった💦
35歳の女性 ローラが小説を書き
表舞台では
パートナーの妹サヴァンナが
少年JTになりきった
🤣
みんなが騙された
小説に共感した人々は裏切られたと感じ
文学界・映画界も大変な騒ぎになったらしい
.
この映画はJTに扮したサヴァンナの
「Girl Boy Girl: How Became JT Leroy」
を元に
サヴァンナの視点で描かれた真実
.
楽しく軽い気持ちで観始めましたが
何故こうなってしまったのか
サヴァンナやローラの心がみえてきて
理解できるような気がする
15年の時を経て、再びこの映画は現代に甦る!
世界中が2人の女性に騙されたあの事件。
世界中の被害者の方に「騙された大賞」をプレゼントしてあげたい(笑)
なぜ今、この事件が再び映画化されたのか?
今日の試写会のトークから、掴めたことが沢山ありました。
ゲストの方は、15年前にJTリロイが執筆した『サラ、神に背いた少年』を日本に送り出した元出版社の方。
当時は、この小説は絶対売れると確信して売り出したみたいです。
まさか、JTリロイが偽物だとも知らず、カンヌの映画祭にまで足を運んだというから可哀想。
まさか、騙されているなんて誰も思わず、彼女は彼だと思い込んでいたとのことでした。
人間って、簡単に情報に搾取されてしまうものなのね…。
SNSで簡単に人を騙せる今の時代に通じるものを感じました。
真実なんて、仮面をかぶって仕舞えば誰にもわからない…。
映画の中に『裸の王様』が例えで出てきましたが、王様が裸だって思っても、1人の権力者が素敵な服を着ていると言えば皆それを信じてしまう…。
人は信憑性さえあれば、簡単に騙されてしまうというのをこの映画で学びました。
だからこそ、人を騙し続けJTリロイとして演じ続けた、サヴァンナの裏の裏の姿がとても切ない。
いけない事だと分かっていながらも、雪だるま式に膨らんでゆくフェイクを止める事が難しくなっていくから辛い。
付き添いのローラの束縛から、逃れられずに、どんどん深みにハマっていく姿がとても哀れでした。
醜くて大柄の自分の代わりに、若くて美しい美少年の姿を投影させた付き添いのローラ。
嘘の自分を隠し続けた先にある真実の姿とは…。
なかなか奥の深いラストに仕上がっている映画でした。
こういう考えさせられる映画って、後からジワジワくるから面白いです
(о´∀`о)
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