スイス・アーミー・マンのレビュー・感想・評価
全36件中、21~36件目を表示
ぶっ飛んでるけど、考えさせられる作品
無人島で遭難したハンクが、水死体で浜辺に流れ着いたメニーの腐敗ガス(というオナラ)を使って、故郷の浜辺にたどり着くところから始まって。
一人なら助かるかもしれないのに、死体のメニーを浜辺に置き去りにせず、一緒に帰ろうと担いでいくところからおかしな旅が展開される。
歌でも自分の現状を表現したり、そのうちメニーのマルチな才能(生き延びる武器?)をフル活用して、狩も上手くなり、森で生きるのに満足してしまいそうになるけど、そこはやはり幻想でしかない。
当初彼女かと思ったスマホの待ち受けの子は、ただの片想いしていた女子(サラ)で、かつ子持ち。
彼女のインスタを見ればわかることなのに、それすらも怖くて見られなかったコミュ障だってことがだんだん明かされてく。
最終的には、故郷のしかも憧れのサラの家に辿り着くが、メニーが身元不明で引き取り手がない場合は墓にも入れないとわかると、また森に帰って二人(結局は一人)で逃避行。
あれ?最初にたどり着いた浜辺って、めちゃ近くやん。
それは、ハンクが現実に戻りたくなくて、故郷は森に激近だったのにワザと遠回りして心理的な遠さを演出していたのかなーと思った。
最終的には、メニーの笑顔でサヨナラ、が現実世界でもお前は頑張れ的なメッセージ…なのかな??
とりあえず、面白くて笑いが止まらない作品だった!
評価できない
序盤から死体をジェットスキーのように乗り回すぶっ飛んだ設定を見せつけられ、
中盤は遭難してることはさておいて死体との会話(実際は自分との対話)、
終盤はシリアスな雰囲気かと思いきや屁が大活躍
屁はどのシーンでも出てくるので決して上品な映画ではないですが、重要なシーンで活躍したり、意外と意味を持っていたりというあたりは面白かったです。
ただ、こちらがどんな顔をして観てよいかという点では非常に難しい映画です。
人におすすめできるかというとかなり疑問ですが、訳のわからない映画を観たいときはぜひ。
ダニエル・ラドクリフは頑張ってたんじゃないでしょうか笑
どうしたらいいのだ
この作品を観て、どう感じるのが正解なのだろう。
どんなリアクションをすればマトモなんだろうか。
そういう、ないようで大抵の場合には予め用意されている「安心の多数派感覚」みたいなものが、ない。
不思議で、シュールで、興味深く、、、
それなのに退屈で、イライラもする、、
それら全てが魅力に変わる、変わった毛色の作品。
えぇっ‼︎
160本目‼︎
かなり
お下品だけど
ワロタ‼︎
ポールダノ
良かった‼︎
ハリポタも
頑張った‼︎
でも
あの口から出る水は
飲めぬぅ
無理‼︎むり‼︎ムリ〜‼︎
初っ端だけ戸惑ってたけど
その後
抵抗なく飲んでたよね(笑)
そんなに田舎でもなさそな近場で
遭難してたのも
ウケた‼︎
まぁ
あの豊富なゴミの量で
わかっちゃうけど
ラストはなんか切なく
そして
ラドクリフの笑顔が
怖かった…
実はもなにも、しょうもない作品
チラシの見た目から、無人島でのサバイバルが主だと思っていたのだが、
簡単にオナラジェットスキーで脱出できてしまう!
ランドにたどり着いてからの話になるんだけど、それも想像以上に人里離れていない!ってところがミソ( ´∀` )b
具体的には、主人公を追いかけて森に走り込んだ幼い少女が、一人で海岸まで到着できる距離。その距離を、よくもまぁ大層に描いていることよ(笑)
この主人公にしても、
(バスで気になる女性に声もかけられず、盗撮するしかなく、そんな自分が嫌になり、自暴自棄で無人島に行ったはいいが帰れなくなり、仕方ない自殺か!)Oo.( ゚A゚ )
てな憶測でこの映画を見ると、なんとまぁしょうもない!
でも、なんとまぁ身をつまされることでしょう!
すごくオオゴトに感じていることが、
端からはすごくバカげたことに見えることも、
それでも自分にとっては人生最大の出来事に思えることも、
そのどちらも体験できたから、私はこの映画が好きです(*‘ω‘ *)
ラドクリフは軍人じゃない
タイトルの意味がわかっていなかったせいで、ダニエル・ラドクリフは軍人の死体なのかと思っていたが、そんな訳もなく。
十徳ナイフ=スイスアーミーナイフ→スイスアーミーマン、なのだ。いわばレインマン的な。
わりと王道のイマジナリーフレンドものなので、ポスターのインパクトのせいでひねりの効いたサバイバルものを期待していく(私だ)と拍子抜けする。
惹句の「青春・サバイバル・アドベンチャー」は語順が成分と正確に比例しているわけで、つまり青年期の心のつまづきがメインのお題。
それにしては冒頭、タイトルまでのパンチが強すぎるんだよなあ…
ありていに言ってしまえば、好きな女の子に話しかけることもできない自分を責めるあまり、とうとう自殺を試みるほどに追い詰められた主人公が、(無知で無邪気だったころの)自分の分身である喋る死体と出会い、ともに冒険をしながら、失っていた色鮮やかな世界を取り戻し、現実に立ち向かう力を獲得していく話、ということになる。
いわば、内向的な青年が抑うつ状態から回復する過程の心象風景を漂流物、死体という仕掛けを使って描いた一種のファンタジーなわけだ。
私の読解力が貧しいためラストまでそれが汲み取れず、リアルなの? ファンタジーなの? と、はっきりしないまま観てしまったので、正直中盤の前半部でたるく感じる場面もあった。
登場人物がほぼ2人で、風景や状況の変化に乏しく、音楽の使い方含めてシーンの盛り上げ方がやや単調なせいもあるとは思う。
もう1回観たら、色んな場面でシンプルに泣けるのかも知れないなあ。
それにしてもダニエル・ラドクリフは死体役が本当に似合う。
久しぶりに映画が好きだ!と思えました。
なんと言葉にしたらいいのかわからないのだけれど、この種のファンタジーと現実が絶妙なバランスで成立している映画は久しぶりに観た気がします。
死体を有効活用するというぶっ飛んだ発想と、でも死体は死体として出来る範疇を越えない (会話は男の妄想と捉えられるし、身体の動きは細かいところまで主人公が補佐するカットが散りばめられている) という徹底ぶりが、より男の孤独との葛藤を表していて、胸がグッとなりました。
ありえない!と思うところが、きちんと笑えるまでのクオリティにしてあったので、アメリカ人が好きな"おなら"も下品に感じなかったし、生きることへの渇望を持つ大事さを丁寧に教えてもらった、そんな愛溢れる作品だったと思います。
なにより音楽が最高でした!
主題歌や挿入歌もそうだし、ジュラシックパークのテーマソングを鼻唄で歌うシーンは、グッと登場人物たちを身近に感じさせてくれました。
そしてポールダノの佇まい、ダニエルラドクリフの存在感、この2人で無ければ成立しなかったし、彼ら以外でこの作品を観たいと思わない、それ程素晴らしかったです。
個人的な感想としては、
学生の頃、映画にはまり始めた時の感覚が蘇って、
"こういう"映画が好きだったんだそうそう!と思わせてくれたことに感謝です。
笑って、泣いて、ドキドキして、ワクワクして、
でも芯はしっかり貫いてくれる。
これからの ダニエルズ、要注目です!
ぶっ飛んでるのにテーマが重い
人間には誰しも死体の様に醜い部分があるものです
その醜さを、自分を否定する事は真の孤独であると本作は言っています
生きる為にはその醜く重たい死体を
背負って歩き続けなければいけない
しかし、困難に遭遇した時助けてくれるのも
死体のような自分自身なのです
ラストシーンで親友を抱え海岸へ逃げたハンクは
軽蔑の眼差しを向けられる中、放屁しました
無人島でメニーと向き合った事で文明社会では抑圧されるべき感情を爆発させました
それは醜い自己の肯定です
もうハンクは孤独ではありません
あなたの心に素直に生きるならば決して孤独ではない
まるで人生そのものを問うような重いテーマにいい意味で裏切られた作品でした
リアルな死体感に脱帽
メニーの死体がリアルすぎて、ある意味ビックリしました!
冒頭のオナラ噴射を浮力に、あり得ない速さでジェットスキーは笑えました。速すぎだろ!
メニーは死んでるんじゃなくて本当は生きてるんじゃないかなと思って、そんなオチがラストに用意されてるのでは?と予想してたら超越してました!
ラストの海に還るシーンでニヤッとしたのは良かったです!自分もニヤッとしましたw
死後硬直で体は動かしにくいはずなのにどんな時もぐにゃぐにゃ(笑)、ウジ虫が湧いてもいいのに一切なし、メニーのナニがピョコピョコすぎてキモすぎ、どんだけガスがあるんだよ、ゲロ水飲んでも大丈夫か、他にもツッコミ満載でしたが、下ネタも笑えました!
今回ダニエル・ラドクリフは主役ではなかったけど、主役以上の存在感を放っていました!
こんな役回りもやるのかと驚きを感じた映画でした!
ハリーポッターの印象が強い彼ですが、そのイメージを見事に払拭してくれました!
良き映画
特殊な設定だからこそ描ける自分との向き合いをとてもコミカルに前向きに描いてて好印象です
ラスト、死体が主人公だったのか、それとも彼自身だったのかが曖昧な感じだったのは好き嫌いのわかれるところかな?
私はむしろどっちだったのか種明かしがない故にファンタジーから離脱しない選択を推します
現実社会をオマージュしたさ迷う森の陰残さと対照的に想いを寄せていた女性と同一化していく過程のファンタジーな映像手法は怪獣たちのいるところを彷彿させました
難点は人前でオナラをすることが良きことと認識して緩むことかな?
ハチャメチヤさの中に隠された、青年の成長と、孤独
オナラで海を渡るとか、死んだり生き返ったりする死体とか、意味不明過ぎる事が起きすぎるので、これはファンタジー物として処理すれば良いのかな?と、思わせて置いて、実はそうでもないと言う、人に説明し難いタイプの映画でした。一人は喋る死体だけど、主役二人の旅は大学生がバカやってるのそのままで、すごく楽しそう。森でバスに乗ったりパーティーをするシーンは本当に素晴らしい。アートワークとしても最高です。そして、抑圧されていた主人公が、死体と話している内に自分を見つめ直すという流れも良かった。面白かった。ここで終われば良くある青年の成長ロードムービーでしたが、街に出てから死体を抱えて森に戻る所がすごい。警察の目にはパーティー会場は異常者の奇行に見えるし、自分を解放した行動は常識の無い人に見える。森の中のユートピアは、街に出て一瞬で壊れました。もしかして、今まで見てきた物は、主人公の見た幻?と思わせておいての、最後の死体ですよ。すごい。
一見、アホ映画
スイスのアーミーナイフのように、体の各部位が色んな機能を持ってて、主人公のサバイバルを助けてくれる人、というのがタイトルの意味。死体やけど。生き返るけど。演じるのはハリー・ポッターやけど。
その機能ってのが、ガスで水上スキー、口から水のタンク、腕がナタ、指が火打ち石、口で噴射・発砲、そして局部が方向を示すコンパス!映研の男子大学生レベルの発想!
しかしもう一つ重要な役割を持ってて、会話によって主人公に気付きや勇気を与えるんや、コレが。
人妻に恋して盗撮したりして、少しヒネ気味な主人公やけど、生き返って記憶をなくした死体の根源的な質問に、誠実に答えたりして、ほんとは良い奴。ポール・ダノ、こういう役ハマるよなー。
スタッフの中に妻のゾーイ・カザンの名前あり。
盛りのついた死体
二人が海を爆走してのオープニングタイトルが良かったしラドクリフ君の存在感もハリー・ポッターは観た事は無いが見事に脱却している。
P・ダノの幻想てか想像でのラドクリフ君かと思えばチャント現実な出来事で!?
ラドクリフ君の存在をドウ捉えて良いのか最後まで解らずにエンディングに。
劇中で口ずさみながら曲が流れる演出は良かったし奇想天外な展開が続く中で地味なシーンに会話がほぼ下ネタな感じで。
熊に食われて終わったら驚きな展開だったしラストはラドクリフ君と一緒に海を爆走してのエンディングだったらスッキリしたのに。
意外に難しい
笑えるおバカな映画を観に行ったつもりなんですけど...
死体発見後、色んな便利機能を発見し、何とか会話が出来始めたあたりで笑いつつも、ちょっと寝入ってしまいました。
目覚めたら簡素な山小屋出来上がってるし、死体はペラッペラ話してるし、ちょっと喋りすぎじゃないですか?
その後無人島でないことが分かった辺りから、話がどんどんおかしな展開へ。
ラストは主人公手錠かけられるなんて、そんな真面目な映画だったんですか➰
主人公ハンクを理解すると、すべてが繋がる。
実はハートウォーミングなラブストーリー‼︎
冒頭、ポール・ダノ演じる主人公ハンクが漂流した無人島で孤独に耐えかね自殺するシーンから始まり「人は死の間際に走馬灯の様に人生を振り返る…」との台詞もあり、前編 死の間際の妄想的なファンタジーなのかと思ったのですが…。
最終的に、思いを寄せる女性の家の“裏庭”にたどり着いちゃう⁈
エッーー‼︎‼︎(太平洋の無人島)→(オナラジェットボート)→(大きな島 ⇨ 思いを寄せる女性の裏庭)。
と言う事は最初の小さな無人島は、ハンクの絶望した心境を投影した妄想。
現実は… 知的障害を持っ思春期の主人公が思いを寄せる女性の家の裏の森で、首吊り自殺をしようとした所、失敗。川から流れ着いた自殺死体を相手に自信の殻を打ち破り、女性に気持ちを伝えるという心の葛藤を、無人島からの生死を賭けた脱出劇(ジュラシックパーク的)になぞらえ妄想と現実が錯乱した数日間を描いた、青春ラブストーリー(健常者ならただのストーカーなのですがw)。
精神的に未発達であるがこそ、ハンクの発想が全て中二病的でピュア。だからこそ川から流れてきた死体、ダニエル・ラドクリフ演じるメニーとの人間関係の構築がとても自然でコミカルに描かれており、それが物語の角となって奇妙奇天烈なファンタジーの世界観を生み出す事に成功している。
「恋とはなにか? 普通とはなにか?」ハンクの不安・喜び・悲しみ・人間性がジワジワと感じられ、ホッコリした勇気をもらいました。
そしてこの作品の最重要ワード Fart(おなら)w
「生きる」→「食べる」→「出す」→「(健常者の)マナー」→「普通とは?」→『ありのままの自分』いう構図なので、全編見終わった後、すべて納得出来この作品の深さに考えさせられました。
また映像と音楽も、スパイク・ジョーンズのような雰囲気があり、とてもオシャレ♡ そう考えると現実逃避し妄想の世界に入りこんでゆく『かいじゅうたちのいるところ』に近いニュアンスでもありました。
精神障害の主人公/死体ボート・死体水筒・死体マシンガンetc… 通常タブーとされる要素でここまでのファンタジーを創り上げたハートウォーミングな発想力 ‼︎
ダニエル・シャイナート&ダニエル・クワン監督、これからが楽しみな監督です。
全36件中、21~36件目を表示