「詭弁に騙されるな」アメイジング・ジャーニー 神の小屋より 昭和ヒヨコッコ砲さんの映画レビュー(感想・評価)
詭弁に騙されるな
娘が殺され、神への不信感を抱えた男が三位一体の神と出会う癒やしの物語…
自分には神側の主張が詭弁にしか聞こえなかった。
神は全知全能であるというキリスト教の考え方にならうのなら、無垢な末娘に起こる悲劇は止められたはずだ。
神は度々容赦なく人を滅ぼす。
ソドムとゴモラ。
ノアの大洪水。
エクソダス。
例をあげればすぐに出てくる大虐殺だ。
神は自分を試されることを嫌う。
しかし神は人を試す。
作中では、自分の善悪の価値観に従って犯罪者たちを有罪だと言ってのける主人公に息子と娘のどちらかを地獄に落とすように迫る。
息子も娘も反抗的だからとテロリストや殺人犯と同列に扱うのもおかしいし、2人の処遇を背反とするのもおかしい。
何故娘は死ななければならなかったのか、という疑問には誰も答えない。
ただ、娘の死は全能の神の範疇外だと言う。
そんな論点ずらしの詭弁に翻弄される主人公は天国で遊ぶ娘を一目見て、神への信仰を取り戻す。
私は聖書を読んだことがあるが、キリスト教徒ではない。
だから感じ取る部分は乏しくなってしまうのも仕方ないとは思うのだが、まだ娘が生贄として自ら選択した結末であったなら救いはあったんじゃないかと思った。
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