「観て損はない」パトリオット・デイ META坊さんの映画レビュー(感想・評価)
観て損はない
2013年のボストンマラソンで発生した爆弾テロ。
犯人逮捕までの102時間を緻密に丁寧に描いた作品。
監督・主演は少し前に公開された、メキシコ湾原油流出事故を映画化した『バーニング・オーシャン』と同じ、ピーター・バーグとマーク・ウォールバーグ。
実話の映画化と言うことで、実はそれほど期待して観に行ったわけではなかったが、いい意味で裏切られた。
これは大当たりだ。
悲惨な事件を扱った映画に対し、不謹慎な言い方かもしれないが、非常に面白い作品だ。
目を覆いたくなるシーンも多く、映像がとにかくリアルで嘘臭さがない。
事件発生直後の現場の混乱が上手く描かれている。
そして、捜査のスケールも大きい。
この辺がアメリカの底力なのだろう。
捜査本部が置かれた巨大な倉庫に、収集した証拠品を並べて現場を完全再現するなど、日本では考えられないことを迅速にやってしまう。
FBIと地元警察が協力し合い、 映像解析などまさに不眠不休で手掛かりを探す姿には頭が下がる。
逃走する犯人に人質にされた市民がいたこと。
その人質の一瞬の判断と勇気が、犯人逮捕に大きく近づいたことなど、この作品を観るまで知らなかった。
俳優陣はと言うと、
FBI特別捜査官のケヴィン・ベーコン。
はまり役だがずいぶんと老けた印象。
それもそのはず、『フットルース』から30年以上は経ってるんだもの。
『セッション』での怪演が光ったJ・K・シモンズも、犯人との壮絶な銃撃戦で身体を張って頑張っていた。
犯人の妻役が『スーパーガール』のメリッサ・ブノワ。相変わらず可愛い。
最後に実際に被害に遭い、お互い片脚を失ったカップルが登場するのだが、彼らの一言ひとことに胸が詰まる。