「巨匠の執着」ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
巨匠の執着
グレイは 家具、インテリア、プロダクトデザインから 建築へと 手を拡げてきたデザイナーである
ヒューマンスケールを熟知しており 家具などは作り直したものもある
(実験 あるいはカイゼンか… 愛の深さか… )
そして トータルで完成度の高い〈E 1027〉を作りあげた
彼女に建築を教えた バドウィッチが、この開放感あふれる別荘に〈個室〉を主張した意味は 後でわかる
コルビュジエは 彼女とコラボしたかったに違いない… 何故 (二流の)バドウィッチと組むのか?
女性、著作権、所有権… と問題は多々生まれたが、 一時 愛は感じたし、彼に才能が無いからこそ主張も弱く、彼女の思い通りに出来たのではないだろうか
この家に〈壁画〉を描くように勧めたのも彼で、そのセンス、感性が理解出来ない
それに乗ったコルビュジエも どうしたのか?
(当時 壁画が流行していた)
大戦時に この家を占領したドイツ兵が〈壁画〉を撃ってしまったのも、その違和感が気持ち悪かったからだろう
また、オナシスがちゃんと理解していたのが 興味深かった
グレイが 裕福で、芸術家肌で 繊細なのも
バドウィッチと〈E 1027〉を潔く捨てて、出て行ってしまう要因になり、問題をややこしくした
そして後世で 二人の男の人間性を 浮かび上がらせてしまった (笑)
〈神が細部に宿った〉この別荘に対するコルビュジエの執着は 理解は出来る
彼の心のうちは判らないが、政治、マスメディア活用が巧みなことから 疑惑も感じられる
そして その執着が グレイの家具の値段 (評価) をべらぼうなものにしてしまう《運命の不思議》
グレイを演じる オーラ・ブレイディの いつも問いかけている様な瞳が、美しかった
こんにちはー
共感ありがとうございました。
ルイス・ブニュエルは
「ビリディアナ」と「銀河」を観ました。ブニュエル いいですね、好き嫌いを剥き出しにする監督の独特の味かもしれません。