「物作りの創造者と使用者の確執から観てみました。」ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ ゆたかさんの映画レビュー(感想・評価)
物作りの創造者と使用者の確執から観てみました。
観客6名と言う静かな鑑賞でした。
エネルギッシュな男どもと静謐な女性との確執かな。
五原則で作られる彼の作品にはどうしても越えられないものがある。
それは設計者としての心だろうか?
彼が提唱した五原則をみごとに具現化し、そしてそれに余りある作品に触れたとき使用者であり続けることが創造者として当然の傲慢な行使だ。
それをしたくなる作品とは、設計者が愛する人にプレゼントして、二人で愛を育む愛の館ということではないだろうか。
そう彼の作品は無機質なのだ。
しかし、彼女が設計施工した館は、彼が提唱した設計理念の完璧な完成品なのだ。
そんな館に自己を潜めたときの安堵感、そんな館に何物にも変えられなく思わず自己の表現として落書きを残したくなるコルビジェ。
テロップではその館の浜辺で亡くなったそうだ。
コメントする