劇場公開日 2018年8月10日

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「彼女たちは、ゴージャスに魅せてくれました」オーシャンズ8 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5彼女たちは、ゴージャスに魅せてくれました

2018年8月20日
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鑑賞方法:映画館

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『オーシャンズ11』をキャストを女性に一新してリブート。
しかも、ダニーには妹が居た…!

最初聞いた時、何だか今のハリウッドの事情に配慮した企画だと思ったし、無理矢理な後付け設定。
でも面子が分かるにつれ、期待が募ってきた。
で、実際に見てみたら、やはりこの楽しさ、面白さに何もケチ付けられなくなるのよ。

あちらの面子にこれっぽっちも負けちゃいない!
サンドラ・ブロック、ケイト・ブランシェット、アン・ハサウェイ、ヘレナ・ボナム・カーター、歌手のリアーナら人気も実力も兼ね備えた面々。

エンタメ・ムービーの女王、サンドラにぴったりの本作と役柄。
確かに今のハリウッドで、人気も実力もカリスマ性も親しみ易さもある“女ジョージ・クルーニー”と言ったら、彼女以外思い浮かばない。
ブラッド・ピットに該当する相棒に、ケイト。
とにかく本作のケイトが、男前! ハンサム・ウーマン!
彼女が着こなすファッションの数々がいちいちカッコいい!
“美しい”のではなく、役柄も含め“カッコいい”のだ。改めて、惚れ惚れ。
サンドラとケイトの初共演だけでも、贅沢で見とれちまう。

てっきりアンが“マット・デイモン”かと思ったら、ターゲットの“アンディ・ガルシア”だった。
高飛車で高慢な人気女優役。イヤミな役でもアンが演じると困った事にキュートなのだ。困った事に。
ヘレナないつものエキセントリックさは控え目で、コメディ・リリーフ。
あちら同様、メンバーに黒人やアジア人らを配し、それぞれ担当役回りや個性を発揮。居ないのは、男だけ。

話の流れや展開的には、『11』とほぼ同じ。
開幕が全く同じ出所シーンからなのはウケた。
兄が兄なら、妹も妹。
出所して早速、“仕事”に戻る。
仲間集め。計画。準備。下調べ。
違うのは、狙うのはお金ではなく、宝石。
ファッションの祭典に潜入して、1億5000万ドル相当のネックレスを盗め!
きらびやかでクラクラしそうなパーティーやファッションやアクセサリーは、女性版ならではの見所。

後半意外な人物が仲間に加わったり、あちらの主人公の本当の目的が“盗まれたものを奪い返す”なら、こちらは“やられたからやり返す”など一応新味は出しているものの、焼き直し感は否めない。
スティーヴン・ソダーバーグからバトンタッチしたゲーリー・ロスの手腕はエンタメに徹して上々だが、ソダーバーグのようなクールさ、スタイリッシュさにはちと及ばず。
快テンポな痛快さは同じだが、センスというより、華のあるキャストの魅力やファッションやアクセサリーのゴージャスな印象が強かった。

『11』ほどではなかったにせよ、ごちゃごちゃした『12』やちょっと飽きてしまった『13』より面白かった。
焼き直しと言ったが、言い換えれば、お約束。定番。
あちらからの飛び入り助っ人やゲスト出演もお楽しみ。
ゴージャスなファッションやアクセサリー、痛快さや面白味、そして魅力的な女優たちのアンサンブル…贅沢なまでにたっぷりと堪能。

興行・批評共に好評だったので、あちらのようにシリーズ化も出来るが、でもそれ以上に期待したいのは、兄のチームと妹のチームの超タッグ!
本作で実はあの人物は…って事になってるが、誰も信じてない筈。だって、彼の事だもの。
妹のチームの活躍ぶりを見ていて、いずれきっと…。
考えただけでもワクワク!

近大