「たてのイットはあなた よこのイットはわたし」IT イット “それ”が見えたら、終わり。 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
たてのイットはあなた よこのイットはわたし
TV映画の『IT』は見たことあるのですが、あまり面白くなかったので記憶が欠けています。そもそもピエロという恐怖の存在が日本人向けではないので、まったく怖くなかったという印象が残ってるだけです。そんな状態で今作を観ると、同じキング原作の『スタンド・バイ・ミー』を彷彿させるジュブナイル映画だ!と真っ先に感じます。さらにピエロの本拠地である井戸の家の地下に潜入するシーンはまるで『グーニーズ』でした。
弟ジョージーが行方不明となり、悲嘆に暮れる病弱のビル(ジェイデン・リーバハー)を中心に、下ネタ好きのおしゃべりリッチー、ラビの息子スタン、母親に縛られてるエディたちルーザーズ仲間が集う。さらに、転校生ニューキッズのベン、アバズレ女と噂されていたベバリー(ソフィア・リリス)、黒人少年マイクが加わっていく。この7人が夏休み中に行方不明者たちの捜索を中心に冒険するという物語。
恐怖のピエロ“ペニーワイズ”(ビル・スカルスガルド)は子供たちの恐怖心につけこんで、それぞれの恐怖対象であるものに姿を変えるという超人的な存在。27年ごとに彼らの住むデリーの町に異常な事件が発生していることを解明した彼らは次第に勇気を振り絞って、果敢に冒険を続けるのだ。しかし、大人的目線で見ると、本当に怖いのは上級生のいじめっ子であるヘンリーやパトリック達。ベバリーにとっての恐怖は父親だし、それぞれの親に対してもどこか怖さを感じているハズなのです。大人には見えないピエロ。などと考えると、やはり子供たちがそれぞれの恐怖に打ち勝つという成長物語なのですね。
普通に見てたら、父親が警官でもあるヘンリーなんてのが暴力的すぎて最も怖い存在。イジメ仲間であるパトリックが行方不明になったというのに、まだ暴れまくってる印象が残ります。井戸に落ちちゃいましたが、どうなったのでしょうか?彼が27年後にピエロとして復活するとなったら、また面白いのですが・・・