「紛れもない青春映画」IT イット “それ”が見えたら、終わり。 ジョーカーさんの映画レビュー(感想・評価)
紛れもない青春映画
過去に一度製作された映画『IT』のリメイク。ちなみにリメイク版は未見。
この映画は、ホラー映画ではない。青春映画にホラー要素が加わっているという表現が正しい。“ホラー版スタンドバイミー”とでも言おうか。とても青春映画の醍醐味が詰まっている。
それぞれ家庭に問題を抱える子供達。登場人物だけでなく、世界の子供たちにとっても悩みは必ずあるという救いの手を差し伸べてくれる。そして、その悩みを抱えた子供が夏休みに自転車で街を駆け回る。そこにまた悩みを抱える女の子も登場し、子供達はその女の子の話題で持ちきり。なんて美しい話なんだろう。
しかし、その街は平均行方不明者数の6倍もの行方不明者が出ているという。冒頭から不穏な雰囲気が流れる。
その青春要素とホラー要素のバランスが絶妙なのだ。R15になっているだけあり、グロシーンもあればペニーワイズとのシーンはかなり怖い。しかし、青春してるシーンではかなりほっこり。このテンションの転換が意外としやすく、自然に独特の世界観に入り込める。
この映画では“恐怖”がテーマになる。子供特有の恐怖。人間にはだれにでもある恐怖。その恐怖から生まれる精神の支配。子供から大人へなるときの恐怖の変化をペニーワイズを通して描かれる。青春映画でよくある事件こそがペニーワイズ出現であるというだけであり、ペニーワイズが単なるきっかけに過ぎないところがまた良い。
最後に、ペニーワイズとの決闘シーンがいくつかあるのだが、なかなか笑える。
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