「スピンオフのさらにスピンオフ。」アナベル 死霊人形の誕生 Naguyさんの映画レビュー(感想・評価)
スピンオフのさらにスピンオフ。
本作は「アナベル 死霊館の人形」(2014)の前日譚....なのだけれど、悪魔祓いは終わっているので、同じ人形"アナベル"に憑依している悪霊は別物(?)ということになる。またそのアナベルは「死霊館」(原題:The Conjuring/2013)のスピンオフなので、よーく考えてみると、スピンオフのスピンオフという形だ。
シリーズ的には本来「死霊館」でホスト役となる、心霊学者のウォーレン夫妻が主人公で、2人を中心に回してもいいはずだが、まあ同じ人間の周りばかりに無尽蔵にエピソードが集まるというのはリアリティがないということだろうか。この映画シリーズは実は繋がっていない。
今回は、"アナベル"という人形が作られた背景が語られる。当然、それを作った人形師がいるわけで、その人形師と家族、そしてその家に迎え入れられた孤児院の子供たちがアナベルの標的となる。PG12なので、怖さは中学生レベル。
さて、"死霊館シリーズ"は全米では大人気シリーズであるが、日本ではいまいち。日本人のじめっとした怖さがないというのもあるが、日本には別の"オバケ・精霊・ホラー"キャラがあるからかも。それほどいくつものキャラを許容できないし、それこそ日本のオバケは、怖くない"お友達"キャラさえある(笑)。
日本では上映されていない(DVDのみ)が、"チャッキー"(「チャイルド・プレイ」シリーズ)も最新作が米国では公開されていて、今後、"アナベル VS チャッキー"も予定されているというから、ホラーのアベンジャーズ状態になりつつある。
本作のエンドロール後にも、またまた次なるスピンオフになる「The Nun(修道女)」(2018年)の予告ティザーで終わるという始末。
(2017/10/22 /新宿ピカデリー/シネスコ/字幕:佐藤真紀)