「「悪魔が我々を試している。」とか「諦めろ。神は我々の味方だ。」とか」アダムズ・アップル 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
「悪魔が我々を試している。」とか「諦めろ。神は我々の味方だ。」とか
登場から、世間からはみ出した匂いを漂わすアダム。そして彼を迎える寛容そうな牧師イバン。
徐々に、その関係が壊れていく。暴力的でありながらもなぜか凶暴さはなく、周りの奇妙な人間たちもからみ合ってどこか滑稽な様子で。悪党にしか見えなかったアダムがだんだんとまともに見えていき、聖人然としていたイバンが”狂気”を秘めた変人に見えて・・。
この映画、旧約聖書「ヨブ記」がモチーフとある。気になってwikiを見ると、
≪正しい人に悪い事が起きる、すなわち何も悪い事をしていないのに苦しまねばならない、という『義人の苦難』というテーマを扱った文献・・≫云々とある。
なるほどイバンは、すべての出来事を神の差配と受け止めて、身をゆだねているのか。そう思うと、彼を崇高な信者としか見られなくなっていった。たいするアダムは最後にそうなっていくのかあ。たしかにこれは神の存在を問いかけるヒューマンドラマだ。
映画を通してビージーズの「how deep is your love」がいいところで流れてくる。それも劇中のラジオから、まるで神の意思のように。神は、二人に問いかける。”君はどれだけ深く僕を愛しているんだい?”と。
コメントする