アダムズ・アップルのレビュー・感想・評価
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ネオナチ野郎とハーフケネディ。
マッツ誕生60th特集で選んだ3本がまさかの同一監督で、どれもとんでもない作品だった事は驚きと感謝です。1本目にみたフレッシュデリなんか可愛く見えちゃうチキンとアップルでした。
さてこれはこれでなかなかエグいヒューマンドラマで、少しファンタジーいやミラクルかな?
腐れネオナチ野郎が更生施設としての教会に預けられ、そこの神父がマッツでシンボルツリーのリンゴの木の実でアップルパイを作るといいね、ってのがネオナチ野郎に与えられたお題で話の軸です。
元テニスプレイヤーのデブ、実はかなりヤバい気のいいアジア人。何より1番歪んでるのが神父マッツ。宗教、信仰とはを問うような内容で暴力一点掛けのネオナチ君ではとてもかないませんね。
このレベルの内容でも世界的に有名な作品にならないんだなぁと、、映画作りの難しさをかんじました。
魅力を伝えるのが難しい作品
何とも不思議な映画。ヨブ記についてがテーマだったので軽く予習。劇場は女性多め。年齢層は割と幅広い。ほとんどがマッツ目当てなんやろうなあ(私もやけど)
感想書くのが難しくなんとなく寝かせてしまった。マッツ=ヨブ、アダム=悪魔で話が進んでいく。マッツには神もいないんじゃないかというくらい悲惨なことが起き続ける。それでもポジティブに生きてきたのは悪魔のせいだとずっと思い続けてきたから。見たくないものを見ようとしないというのは我々にもよくあることやけど、イヴァンの場合その度合いが桁違い。
アダムから現実を突きつけられ絶望するイヴァン。それでも、アダムが変わろうとする様子もイヴァンが元の明るい性格を取り戻していく様子も見ていてほっとする。
宗教観が強い作品ではあるので万人受けはしないと思うが、この作品もマッツの魅力全開なので好きな人はぜひ🔆にしても、どうして北欧系の作品って猫とか犬の扱いが酷いのか…
イキってたネオナチがオロオロし始め、予想のつかない展開になるのが面白い
キリスト教でいう旧約聖書、
ユダヤ教では唯一の聖書の、
39(+α)ある文書のひとつ
「ヨブ記」の現代版。
「ヨブ記」は、
敬虔な信仰者に見えるヨブだって、
苦難を与えれば信仰などあっさり棄てるだろう
と主張するサタンに対し、
神が「それなら試してみよ」と言っちゃって、
ヨブがめっちゃ苦難に遭う話。
イスラエル王国が紀元前10世紀に分裂し、
紀元前8世紀に北王国が、紀元前6世紀に南王国が滅亡した後くらいに成立したことを考えると、
「神はなぜ、苦難を課すのか」という疑問に答える必要性から生まれた書なのではないかと思われる(めっちゃ私見)。
ヨブは結局、
苦難にも耐え、論争にも耐えて、
神による再評価を勝ち取る。
そういう過程を
イスラム圏からの移民かつテロリストと、
そのカウンターたるネオナチと、
さらにはナチスの下っ端の生き残りを登場させて、
ブラックなユーモアたっぷりに、現代に甦らせた感じ。
冒頭、登場するやいきなり、降りたバスに
なんの意味もなく(なんかムカついてたんだろう)傷をつける、悪党としか言いようのないアダム(ウルリッヒ・トムセン)が、
一見寛容そうなんだけど、どうやらかなりぶっ飛んでる牧師イヴァン(マッツ・ミケルセン)相手に、
最初はイキってたのに、だんだんオロオロし始めて……予想のつかない展開になっていくのが面白い。
「信ずるものは救われる」っていう単純な話じゃない、と思うんだけど、
結果的にはそういうことになるのか。
まあ、鰯の頭も信心から、って諺もあるし。
70点ぐらい。奇跡のリンゴ
アダムのアップルケーキ
刑務所を出所した主人公アダムが牧師イヴァンと出会い、
自身のネオナチ思想をもって、
キリスト教を糾弾するかのごとくイヴァンに反抗するのだが、
イヴァン自身や身の回りで起こる出来事を通じて、次第にイヴァンを理解していくアダム。
そこに至るまでをブラックユーモア&皮肉たっぷりに描いていて実に面白かった。
特に最初にイヴァンにしてもらっていたことを、後半、アダムがイヴァンにすること。
この数奇な運命が実に映画らしく面白いのだ。
何度も落とす聖書で開かれるページが悉く「ヨブ記」だったり、
もはやイヴァンが神に守られているとしか思えない病状・怪我からの回復だったり。
そういうところも効いている。
最終的にはアダムはイヴァンの教会に残り、
アダム同様に刑務所から出所してきた若者たちを預かることに。
その帰りしな、ふたりが車の中で音楽をかけ、顔を見合わせるのだが、
笑顔なのが実に良い。鑑賞後感も良かった。
マッツ・ミケルセン生誕60周年祭で鑑賞。この企画に感謝。
半ズボンとサンダルの鼻曲がりマッツと議論したい
マッツ60周年記念その1
もう20年前の作品、思いの外面白かった。
信じてるか?信じてないのか?というスタンスヨイ。ネオナチに中東迄入れて、よく考えると誰も死ななかった?
カラスやネコを撃ち落とす所は思わず噴き出した。
自分としては神よりビージーズと言いたいトコですが、テイクザットでした・・。
信じる者は…
救われる。父親からの虐待、妻の自殺、息子が脳性麻痺、自分は末期の脳腫瘍と数々の不幸なせいで全ては悪魔のせいと気持ちを押し込め、現実逃避をしながらも奇跡的に生きている聖職者イヴァン。各々の人生の試練に耐え切れず、そんな彼を慕う人々。出所したばかりのネオナチ思想のアダムはこの風変わりな人々、特にイヴァンに現実を分からせようと試みたところ、ついにイヴァンも受け入れた結果、息も絶え絶えに。しかし、奇跡が起き、脳腫瘍も吹っ飛び、生きることに。全ては神のなせる技。人生には必ず試練がある。それにどう付き合い、乗り越えていくのかは自分次第。ラスト、あれだけ苦虫を噛み潰した顔をしていたアダムが車中で口ずさむ姿が良かった。
観念的だけど笑える傑作
これ、更生プログラムとして使えるやん!よし、議論しよう…
「ヨブ記」をモチーフにした、ある教会の物語。ネオナチの男アダムが自室にヒトラーの絵を掛け、最後までそれを外すことはなかったけど、心の中はすっかり変わったように思えた。再出発する際にはマッツ・ミケルセンの写真を壁に掛けてるかもしれません。
「アップルケーキを作る」などといい加減な目的意識を持つアダム。しかし、教会の庭にあるリンゴの木はカラスなどの鳥に襲われるし、撃退したかと思っていたら虫に荒らされてしまうという災難続き。撃退するにしてもナチ仲間に拳銃をもらうんじゃなくて、なんとか別の対策を取ってもらいたかった。この鳥の銃撃がリアルだったけど、エンドロール最後に「動物には一切危害を加えてない」と書かれていた。まじかぁ・・・猫はわざとらしかったけど、ミケルセンのメイクアップといい、結構VFXに金かけてる感じがしました。
「ヨブ記」での内容は試練を与えられるものでしたが、それは本当に悪魔サタンが仕掛けたものなのか、神が与えたものだったのか、やっぱり議論の余地がある。なんでもかんでも議論しようと持ちかける度に笑ってしまいましたが、やがてイヴァンの様子がおかしくなり、脳腫瘍だったことも判明するのですが、信じる者は救われる。奇跡か!?
キャラがみんな面白かったし、苦難を乗り越える様子も楽しかった。ネオナチが徒党を組むとやっぱり怖いこともわかったし、世界中に根付いてるんですね、きっと。
いかれた映画
ようやく入れたシネマカリテ。ここ、新宿駅ゼロ分と立地がめちゃくちゃいいので、特にサービスデーの水曜は、なかなか入れないんだよね。入れた今日も最前列。
映画は、すごい映画だったなあ。
キリスト教がらみの映画は、観るたびに「あ〜、なんかわからんは、これ!」という思いと共に映画館を去る、というパターンなのだが、これもまったくその通りでした。
もしも、これから観に行く人がいれば、下記リンクあたりで、ヨブ記をちょっと知ってから観るといいと思う。
読んでから行って、ちんぷんかんの俺が言えた義理ではないけど…
苦しんでる人、悩んでる人には、宗教は必要だし、とても有効だと思うけれど、ヨブ記で語られる「高潔な人にも訪れる不幸や試練は、罰なのか」という問いかけの設定自体が、すでに、宗教が有効な領域を越えた、無駄な議論に思えちゃうな。
映画は、終始変な雰囲気を味わい続け、オチもあって、それはそれで面白いです。主人公の一人のネオナチは、「なんか違うな、変だなぁ」と観ている俺達が、感情移入できる唯一の存在。ネオナチなのにね。
Wikipediaから、ヨブ記
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/ヨブ記
視聴後感は「モンティ・パイソン ライフ・オブ・ブライアン」
マッツの2005年の映画がかかっていると聞きつけてこれは今見ておかないとソフトや配信で見ることもできないかもしれないと思い、見てきましたが大正解。
北欧映画らしい(というのはサンプルが少ないけども)普通の映画だったら起こらない話の筋で、このあとどういう展開になるのか、全く分からない面白さがある。これから見に行く人には、聖書「ヨブ記」がどういう話なのかちょっとググっておくのをおすすめ。キリスト教関連の知識が少しあると、劇中で様々に張り巡らされた隠喩関係がぐっと立体的に見えるはずです(僕はあまりでした)。
視聴後の感覚は、不思議とモンティ・パイソン「ライフ・オブ・ブライアン」みたいな。歌が印象に残ります。
鑑賞後スッキリ
「悪魔が我々を試している。」とか「諦めろ。神は我々の味方だ。」とか
登場から、世間からはみ出した匂いを漂わすアダム。そして彼を迎える寛容そうな牧師イバン。
徐々に、その関係が壊れていく。暴力的でありながらもなぜか凶暴さはなく、周りの奇妙な人間たちもからみ合ってどこか滑稽な様子で。悪党にしか見えなかったアダムがだんだんとまともに見えていき、聖人然としていたイバンが”狂気”を秘めた変人に見えて・・。
この映画、旧約聖書「ヨブ記」がモチーフとある。気になってwikiを見ると、
≪正しい人に悪い事が起きる、すなわち何も悪い事をしていないのに苦しまねばならない、という『義人の苦難』というテーマを扱った文献・・≫云々とある。
なるほどイバンは、すべての出来事を神の差配と受け止めて、身をゆだねているのか。そう思うと、彼を崇高な信者としか見られなくなっていった。たいするアダムは最後にそうなっていくのかあ。たしかにこれは神の存在を問いかけるヒューマンドラマだ。
映画を通してビージーズの「how deep is your love」がいいところで流れてくる。それも劇中のラジオから、まるで神の意思のように。神は、二人に問いかける。”君はどれだけ深く僕を愛しているんだい?”と。
この題材で、力技の結末
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