「2017年最高傑作!」新感染 ファイナル・エクスプレス yookieさんの映画レビュー(感想・評価)
2017年最高傑作!
ゾンビ映画好きとしては見逃せない韓国製の初ゾンビ映画ということで、上映開始3ヶ月以上前から注目していた本作。ゾンビ好きをも唸らせる、単なるゾンビものに留まらない素晴らしい作品でした!
先ず、ゾンビ×乗り物パニックという斬新な設定がいい。題名にも掛かっている新幹線が走り続ける(正確に言えば途中駅で止まったりしますが)、その車内で駆け込み乗車のゾンビが感染していく、密室の恐怖がノンストップで進んでいく。だから全く飽きない!
俊敏なゾンビ達が雪崩のように襲ってくる、車窓が割れて傾れ落ちてくる、駅舎から落っこちてくる、なんなら走る列車にもしがみついてくる!!といったシーンには何度も笑わされました。挙げ句の果てに、燃え盛る列車が前方から爆走してきたシーンには、手を叩いて笑ってしまいました!愉しすぎるーーーー!
と思っていたら、この映画の凄いところは、ボロボロ泣ける!ゾンビ映画でまさか号泣するなんて!!!
コン・ユさん演じる主人公のダメ駄目パパが、金儲けの仕事ばかりで家族を顧みない自分勝手なヤツだったのが、極限状態の中で娘を守るため、乗客達と協力して、カッコイイお父さんになっていく成長と愛が描かれていて。主人公の手本ともいうべき親父としても夫としても尊敬すべき姿を提示する、マ・ドンソクさんの役は本当にカッコイイしユーモアがあって、高校球児の彼と3人でゾンビに立ち向かっていくところは、もうたまりませんでした!
ゾンビの造形が怖くないことに不満を持っている人も多いようですが、そこが却って良かったと思っていて。元の正常な人間だった時と変わりすぎないところが、感染してない人間との戦いのところで、さっきまで何ともなかった乗務員、乗客、家族、友人、恋人だった人達を殺せるだろうか…という思いが逆に強くなるんです。だから高校球児が、感染してしまった部活仲間達をどうしても攻撃できない姿に心底感情移入できるんです。切ない…。
死んで欲しくない登場人物達が感染してしまうのは本当に悲しく、バス会社常務の最低野郎には腹が立つし、ゾンビの襲来にはハラハラしつつも笑えるし、喜怒哀楽の全てが詰まった最高の娯楽作品だと思います。
最後は本当に涙が止まりません。
オマケ的な感想としては、コン・ユさんのプロポーションがあまりにも良すぎて…。引きでスクリーンに映った時のフォルムがノイズになりかねない程の美しさ!惚れ惚れしました。途中、新幹線車内のトイレで顔に付いた血と涙を洗い流すシーンがあるのですが、あそこで、鏡の前で血まみれのワイシャツを脱いで上半身を曝け出してくれたら!さらに素晴らしい映画になったかと思います笑
今年最もオススメしたい映画の一本です!