「後半は特に気持ち良い」トゥー・ラビッツ zhiyangさんの映画レビュー(感想・評価)
後半は特に気持ち良い
急に手描きのカットが入る、ゲーム風の画面になる、全編にわたって主人公のナレーションで語られる、空撮のサンパウロの映像が場面の切り替わりに使われる、話のポイントでロック系の音楽が使われるなどなど、わかりやすくポップで「派手に魅せる」こと重視な映像は、ブラジルの緩くてどこか危うげな空気とマッチして見てて飽きない。ただそれだけでなく、段々種明かしをする話の展開が巧みだなとも思う。どんどん人物が増えて話が唐突に進行するので、前半は何が起きてるのかよくわからないのはわからないのだが、後半一気に話を回収する。しかも結構スケールがでかい。細かく見てけば穴はありそうだが、こんがらがった糸を解くような楽しさがある。やたらスタイリッシュな映像は前半もしっかり見させることにも繋がってる。コメディっぽくもあるがギャグにはならず、バイオレンスだが痛々しくなく、勧善懲悪だがハッピーエンドじゃない。派手なだけのお祭り映画ではない、結構まとまった佳作って感じ。
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