怪物はささやくのレビュー・感想・評価
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矛盾と共に生きるということ
怪物は孤独な少年の妄想の産物かと誰もが思っていたところで、あのエンディング。
母も昔は同じように孤独な少女で、彼女が広げた空想の翼が愛する息子に人生の矛盾と生き抜く強さを教えていたのだと。
祖母と母、母と父、母と少年。決して美しくはないけど根強い絆がそこにあって、怪物はその化身だったのだと。最後の最後で涙が溢れた。
芸術的でもあり、すばらしい映画でした。
後半、観てられん
後半、観てられん。これだけ正面から観てられん映画もめずらしい。かんべんしてくれと。涙をただの物理現象として感じることで、モロ泣き回避するのだが、それに神経を使うので、まったくもってなにを観てんだか。
この世界観を映像にできているところはすごい。途中、あのアニメーションを見せたいがために制作した映画かと思うくらい。
実はストーリーとしては、消化不良(省略?)な部分があるのだが、後半とりあえずそれどころではなくなる。そして、母親の作品集の締めくくりで全部飲み込んでしまう。
良作だが、少年にとっての母親との死別でしょ、その点ちょっと距離おきたい映画かな。
原作の世界観をそのまま維持
原作が大好きで、映画化されたらどんな感じなのかとワクワクしてみました。原作をそのまま忠実に再現してくれていてとても嬉しかったです。
ただ、最後のシーンが納得いかないというか、蛇足じゃないかなと思ったので、☆マイナス1です。
切ないストーリー
最愛の母が末期がんで余命宣告された少年と、夢の中に現れる大木の怪物が繰り広げるダークファンタジー。
なんか泣けてしまった(^^;
原作が有るようなので機会があったら読んでみたくなりました。
子供ではなく大人でもない
難病の母親(フェリシティ・ジョーンズ)の面倒を見ながら、イジメに遭いながらも学校に通う少年が主人公(ルイス・マクドゥーガル)。
そんな主人公の前に怪物があらわれ、これから三つの話をするが四つ目はお前がするのだ、という。
この年代は誰もが怪物を飼っているような気がする。
主人公の演技がうますぎる。 自分の気持ちに正直に生きろって いうこ...
主人公の演技がうますぎる。
自分の気持ちに正直に生きろって いうことを伝えたかったのかな。。。
怪物が話す物語の映像が綺麗だった。
辛い事を乗り越えて人は成長するんだね!
ずっと観たかった映画の一つ。
大好きな母親の死に直面する少年の悲しみと成長の物語。
夜中に現れる家の前のイチイの木の怪物から、3つの物語を聞かされることになった少年。
母親のことで頭がいっぱいの少年の前に、なぜ怪物は現れたのでしょうか?
少年の気持ちが少しずつ整理されつつ、情緒不安定になる様子に、見ていてゾワゾワさせられました。
大好きな母親の死があまりに悲しすぎで受け止めきれない少年…。
悲しい気持ちが抑えられない状況に、怪物の語る物語はどんな影響を与えたのか?
悲しいことも辛いことも受け止めつつ、これから先の人生は、勇気を手にして生きてほしいです!
フェリシティジョーンズさんの素敵なお母さん姿に心奪われました。
まるで本当の親子のように素敵な関係。
病気でやつれる姿は本当に大丈夫?と心配したくなるほど、圧巻の演技でした!
彼女の今後の活躍に期待したいです!
ダークではない
ダークファンタジーというわりには、なんかお粗末。
怪物が語る話がどれも安いというか、よくある話というか。
4つ目の話はお前自身の話だ〜真実を話せえ〜と
さんざん話せ〜話せ〜と主人公にせまるが、その真実というのが…
は?そんだけ?なにいってんだこの少年?
ダークファンタジーというか家族愛に少しホラー要素を加えました、という最後はほっこり。
お母さんは病気で助からないが、ばあちゃんはそんなやな人ではないし、親父さんもこの息子をすごく愛している。
いじめっこにはやり返してるし。
感想書くのも馬鹿馬鹿しいくらいつまらなかったが、これもチェックしてたから一応。
怪物は内なる自分か、はたまた母の守り木なのか?
内容はあまり把握しないで観た。巻頭、少年がトースターでパンを焼き、洗濯している姿を見て、ネグレクトの話かと思った。しかし、映画が進むにつれ、同居する母親がガンだろうか、重病だということがわかってくる。学校では、病気の母親と同居しているかわいそうな少年と腫れ物に触るように扱われ、自分の気持ちを吐露できる相手はいない。母は調子が良い時は一緒にビデオを見たりして、楽しいひと時を過ごすこともあるが、ベッドに横になっていることが多い。少年は絵を描くことで、自分の気持ちを整理しようとしている。口うるさい義母とはそりが合わず、離婚した父親は遊びに来いとは言ってくれるが、同居しようとは言ってくれない。八方ふさがりの少年の元に怪物が現れる。最初は恐れおののく少年だったが、次第に心待ちするようになる。少年の見る悪夢は? 母親はどうなるのか? どんどん引き込まれていった。怪物の話は、勧善懲悪の内容ではなく、善にも裏の顔があり、一見悪と思われるものにも善の面が見られる。一筋縄ではいかない話だ。何を示唆しているのだろうか? よくわからなかった。少年を演じる俳優は新人か、目力が強い子で彼の苦難にハラハラしながら、魅入っていた。ラストは原作にはないそうだが、何となく救われた気がして鑑賞後感も悪くなかった。少年がこの先幸せに暮らしてくれることを願うばかりだ。
あ、あれ?拍子抜け。ダークファンタジーって言うから観てみたけど、ご...
あ、あれ?拍子抜け。ダークファンタジーって言うから観てみたけど、ごく普通のヒューマンものだった。退屈はしなかったけど興奮もせず…。
初めからヒューマンものと思って観てたら面白かったんだけど、まあ、残念。
寓話的語り口で現実を描き出す秀作
一人の少年が厳しい現実と向きあい乗り越えるために、「怪物」が現れる物語。
心に大きな孤独と罪悪感を抱える少年の前に現れる怪物は、彼にとって父性の象徴なんだろうと思った。
映像も素晴らしいし、寓話的な語り口で少年の成長を描くストーリーも素晴らしいけど、ちょっと上手くまとまりすぎな印象はあるかも。
歪さがないので、感動はするけど長く記憶には残りづらい印象。
心を抉られる作品
少年が自分の中の怪物と向き合う話。中学生の頃に読書感想文を買うために読み、最近実写化したとたまたま知り鑑賞。中学生の時も深く感銘を受けたが、少し歳をとってから改めて見るととても心を揺さぶられる。人は矛盾していて当然。大切なのはどう行動したか。勇気をもらいたい時に見たい一本。
切ない傑作。
本当に切なく美しいダークファンタジーの傑作映画でした。
少年の置かれた状況と、心の歪みそれを比喩するかのような怪物の言葉は重く深く心に染み渡るものでした。
グラフィックや映像表現も最高でした!
物語(ファンタジー)は、真実
見る前は『パンズ・ラビリンス』のようなダーク・ファンタジーと思っていたが、確かにダークな雰囲気ではあるが、ちょっと違う感じがした。かと言って、夢見るような純度100%のファンタジーでもない。
子供にも大人にもほろ苦く、その後でほんのり甘みが包み込む、ビターでスウィートなファンタジー。
ファンタジーはヒューマン・ドラマ以上に教訓や下地になるものがなければならない。それが無いと、ファンタジーはただの偽物になってしまうからだ。
その点、本作は非常に巧い。
ある孤独な少年が居る。
両親は離婚し、母親は難病。
厳格な祖母とは気が合わない。
学校ではいじめられ…。
少年が抱える不安、悲しみ、苛立ち、怒り…。
突然少年の前に現れた木の怪物が語る3つの物語が、それとなく少年のその時の心情を反映させている。
ある王子の物語、ある調合師の物語、ある透明人間の物語…。
それはいずれも、不条理で矛盾してる物語ばかり。
単純に割り切れない人の善悪。世の中、綺麗事ばかりじゃない。
少年が今、突き付けられている現実世界そのものだ。
怪物は3つの物語を話した後、最後の4つ目の物語は少年が話せと迫る。
それは、少年が抱えている“真実”を吐き出させる事。
少年はその“真実”を認めたくない。
が、認めなくてはいけないのだ。
その“真実”は辛い。
“真実”から目を背け、“嘘”にばかり耽っている方がもっと辛い。
私も数年前にあった。
何処かで“嘘”を望んでいた。何か奇跡が起こって助かるんじゃないかと…。
でも、“真実”がもう目の前に迫っていたのも分かっていた。母親の死という…。
少年の前に現れる怪物は、少年の空想なのは明白。が、現実なのか空想なのか、時々境が曖昧な描かれ方が面白い。
怪物が話す物語は、水彩画のようなアニメーション。その幻想的な表現。
少年役ルイス・マクドゥーガルが素晴らしい。ピーターパンが成長していた。
母親役フェリシティ・ジョーンスは勿論、最近スペシャルゲスト的な役が続いたシガニー・ウィーヴァーも祖母役で印象的な演技を見せる。
モーション・キャプチャーで怪物を演じたリーアム・ニーソンはさすがの存在感。
ファンタジーではあるが、少年の繊細な苦悩や葛藤のドラマ、家族のドラマとしても上質。
『インポッシブル』や本作など、J・A・バヨナはドラマとVFXの巧みな併せに長け、今夏の某恐竜映画の続編でもどんな手腕を奮うか楽しみだ。
最後、少年は母親が描いたある本を開く。
そこには…。
物語(ファンタジー)は、真実。
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