怪物はささやくのレビュー・感想・評価
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誰もが避けて通れない「死」を乗り越える物語
タイトルなし(ネタバレ)
洋画だからこそできるストーリー。
とにかく切ない。
泣けるとか感動したとはまたちょっと違う。
母の死を乗り越えて前向きに生きるとかいう単純なメッセージではなくて、人間の複雑な感情の中にある二面性や矛盾にまで言及しているのが深い。
死んでほしくないけど終わってほしいって、わかる気がするね。
ひとつ言うなら3番目の話もちゃんとやってほしかった。
この物語は何だ‼️見たことも聞いたこともない‼️
タイトルなし
タイトルなし(ネタバレ)
母親は死病、自身はいじめられ頼る背のない孤独な少年
抑圧された心がどういう風に育っていくのか
毎夜同じ時間に登場する怪物を通して少年に必要な答えにたどり着くファンタジー
これは少年が主人公だけど、
少年が怪物に露見した叫びは
介護や闘病を支える近親者はみなほとんどの人が理解出来る気持ちだと思います。
母の作り出した愛情が少年を解放出来て本当に良かった
「あなたが悪いのではない、世の中とはそういうものなのよ」
児童文学にしては観念的であり母親との死別への恐怖、上辺だけの繕いに見える大人社会、現実社会での理解者を得られず悪夢に苛まれる少年の物語である。重いテーマを掲げており、反抗、破壊に対して異様なほどの共感、寛容を示す作家性の強い話だ。どうしたらこのような視点で児童文学が書けるのか気になって調べてみたら英国の作家シオバン・ダウドの未完成の遺稿を脚本のパトリック・ネスが引き継いで完成させたようだ。シオバンは乳がんで47歳で死亡している、作家と並行して恵まれない子供たちや、若い犯罪者の救済活動にも腐心していたようだ、そんな子供たちの心に寄り添うには綺麗ごとのお伽噺ではなく不条理な現実社会を暴いて見せる手法が必要と気づいたのであろう。活動を通じて得た教育者としての信念と自身の死期を悟って鬼気迫る物語が出来上がった。
「あなたが悪いのではない、世の中とはそういうものなのよ」という作者の無償の愛のメッセージは、もはや評価の域を超えているのだが個人的にはこの種のダークファンタジーは苦手、映画にしてまで辛いことの追体験をしたいとは思えないので致し方ない。
ささやいてる……?
考える隙間のある映画はイイですな
【内気で孤独な少年が、”真実”から目を背けず、哀しみを乗越えていくまでに心が成長していく姿を、ダークファンタジー要素を見事に絡めて描き出した作品。】
コナーは夜な夜な近くの墓地に聳え立つ”イチイの大木の怪物”の悪夢を見る。そして、時折大好きな母リジー(フィリシティ・ジョーンズ)のベッドに潜り込む。
彼は、絵を一人で書くのが好きな内気な少年。学校では苛められているようだ。
ーそれにしても、怪物の声を担当した”リーアム・ニーソン”の少しエコーがかかった低音ヴォイスがとても良い。あれは、怖いなあ・・。-
ーコナーのおばあさん(シガニー・ウィーバー)のコナーへの接し方から、母親の病状が仄かに分かる。上手い・・。ー
ー又、離婚して、今はLAに住む父親が、息子を心配しつつも、その存在感の希薄さに、”コナーの内向的だが、母親をとても大切に想う性格形成に影響しているんだろうな、成程”と思う。-
怪物は少年に言う。
”今から私はお前に”3つの真実の物語”を話す。4つ目の物語はお前が話せ、そして”真実”を語れ・・・。
ーこの設定が大変に秀逸。更に2つ目までの物語(寓話)も秀逸。(”真実”を見る事の大切さ、未来を信じる事の大切さが暗喩で語られている。-
3つ目の物語は”怪物と少年”が語り・・
少年は、イチイの大木の怪物から”お前の真実を話せ”と迫られ、涙ながらに語った言葉が心に哀しく沁みる。
<コナー君、独りで気丈に頑張ってきたんだね・・・。
”リジイ・クレイトン”と書かれた画集に描かれていた数々の画にも涙してしまった・・。>
ー未観賞の方はここから少しネタバレです。ー
<誰が”コナーに哀しみを乗越える勇気を与えたか”が、明らかになるから・・・。>
不合理で矛盾だらけで複雑なこの世の真実
インポッシブル、ジュラシックワールド 炎の王国に続き3度目のバヨナ作品。
母と息子は同じ怪物に出会っていた。
想像力を持っていたから出会えたのか。
なぜあの親子が怪物を見ることができたのか。
怪物の話は矛盾する。
そして怪物自身、恐ろしいものに見えたかと思えば、物語のラストシーンの優しい瞳も印象的で、恐怖と優しさという相反するものを感じさせる。
完全な善や悪はいない。
だいたいのものは中間だ。
恋人を殺して国を平和に統治した王子
王座に魅了され王子に結婚を迫ったが人殺しはしていない魔女
とっつきにくい性格の調合士
信念のない聖職者
いじめっ子だが、最後に暴力をやめたクラスメイト
いじめられっ子だが、クラスメイトを病院送りにしたコナー
何を考えたかではなく、どう行動したか
怪物は何のメタファーなのか
不合理で矛盾だらけで複雑なこの世の真実そのものなのか
瞳に映っているものを描くことで、目に生命が宿る、と母は言った。
母親を亡くして窓の外を見るコナーの目には生命が宿っていた。
タブー
癌の末期や難病の方の手記やブログを読んでいると、頑張っても頑張っても駄目な場合が記してあります。また、私の友人の元恋人は末期癌で亡くなったのですが、成すすべがなくなってしまった時に、友人は「早く精神的に楽になりたい」と言ってました。
母親の病について「早く楽になりたい」とコナーが吐き出すシーンは、一般的なドラマであれば口には出さない事です。しかし、敢えてコナーを真実と向き合わす事により、何かを乗り越える時には真実に向き合うしか方法はない事を示唆しているのだと感じました。コナーは無意識のうちにその事に気がついていたからこそ、恐ろしい妄想を使って楽になったのだと思います。反対に母親の病が治るという都合の良い妄想に逃げ込んだままだったら、コナーは母親の死を乗り越える事はできないでしょう。人の死に対して、癒しやスピリチュアルとは全く違うアプローチが新鮮でしたし、非常に哲学的な作品だと思いました。
過酷過ぎる
レビュー
リーアム・ニーソンの威厳ある温かい声
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