「実際のご夫婦の姿と映画の内容(少々DV気味、時代が時代なので許されるの?)に違和感」しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス toitoitoiさんの映画レビュー(感想・評価)
実際のご夫婦の姿と映画の内容(少々DV気味、時代が時代なので許されるの?)に違和感
夫婦の愛の物語として感動をよぶ作品とのことなんだけど。。。
主人公のモードは家政婦として雇われたい一心で、「病気ではない」(リウマチでは?)「人の5倍働く」(実際は指示がないと働けなかったり、基本絵をかいてエベレットがいない間楽しく過ごしている)とか適当な嘘をついてエベレットの家に入り込む。エベレットは忙しいから家政婦を雇ったはずなのに、余計忙しくなってて、イライラするのもまあ仕方ないかと思ってしまった。
すぐに上目遣いで人に媚びを売ろうとするし、相手に拒絶されるとキレて叫ぶところも気になった。
エベレットはエベレットで気に食わないとモードを殴るし、突然興奮して襲ってくるし(結婚を求められると逃げる)いいの?これで?寡黙で素敵な男性像にはとても見えなかった。
終始イライラの香りが漂う映画で、役者さんの演技はとても素晴らしいと思うものの、こんなに荒っぽい夫婦の愛から、あんなに可愛らしくて幸せな香りのする素敵な作品が生れるものかと疑問に思ってしまった。
あとで調べたら、夫婦の記録がほぼないので夫婦のやり取りとか監督が「こうだったのであろう」と想像の元作られたお話とのことだった。(監督へのインタビュー記事より)
WIKIによるとモードは親から愛されて育った少女で結婚前から絵を売っていたようだ。結婚後も絵を描く事をエベレットに薦められていたようだ。だから家事もエベレットがやっていたみたい。(エベレットはモードの絵のファンだった?)
子供を産んだ経験の記録はいろいろ探したけど見つからなかった。これも監督の想像?
実際のモードの絵も、夫婦の写真も暖かで素敵なものだけに、映画に違和感を感じたし、これが夫婦の愛と感動する人が多いことにも少し悲しみを感じた。時代が時代だから殴ったり家畜のように命令しても夫婦の愛でいいの?(愛しててもそれはちょっとと感じない人が多いことが寂しかった。)
エンドロールで流れるエベレットはとても優しい雰囲気のおじいさんで、モードはおちゃめな雰囲気のおばあさんだった。あんな優しい絵をたくさん自由に描けるのは暖かな夫婦の関係があったからだと思った。