「劇場版ポケットモンスター君に決めた」劇場版ポケットモンスター キミにきめた! プラズマイリヤさんの映画レビュー(感想・評価)
劇場版ポケットモンスター君に決めた
[主題]
主題:”ピカチュウがモンスターボールに入らない理由とは”
物語全体に落とし所が4つあったが、最終的には此処に収束する。
[作画]
ポケモンは独特の作画でカテゴライズが不可能である為、評価・比較をするまでもない。ただ、問題は一切ないクオリティだった。
バトルシーンに関しては、バイオレンスとバイオレンスを頭ごなしにぶつけ合うだけで、ギミックのかけらもなかった為、非常に浅い展開。
[音響]
バトルアニメ特有の、「被弾→BGM in→カウンター」というように、展開がスイッチする際に流れるアップテンポの逆転BGMが一切ない。
今作は、「被弾→感動シーン→エンド」と、感動シーンで全てを丸め込んでくるため、逆転の余地がなかった。
よって、「被弾→感動シーン→戦闘力up→逆転→エンド」という構成にすることによって、"感動" と "激昂" を両立できたと考えられる。
[悪かった点]
・蛇足なシーンが多すぎる。
→物語の主題に一切沿わない取って付けたような雑なシーンが多すぎる。
・戦闘シーンの手抜き。
→上に記述。
・辻褄が合わない点がある。
→ネタバレになる為、記述ができない。ただ、ストーリーを振り返ると「ん?」となる部分が少なからず見受けられる。映画が終了し、電球が灯った際、拍子抜けするような居心地になった。
[良かった点]
・蛇足なシーンがあったとはいえ、テンポは良かった。
→わかりやすく言い換えると、蛇足なシーンのテンポ「も」良かった。
ただ、テンポが幾ら良くても蛇足は蛇足であり、無駄なのは変わらない。
・ピカチュウが喋る。
→賛否はあるようだが、個人的には良かった。
ストレートに来るかと思いきや、ジョブ無しで不意にアッパーをブチかまされ、度肝を抜かれた。
状況 + 台詞 + 演技が全てマッチし、このシーンはポケモン映画のブレイクスルーとなりうるようなシーンだった。
[総評]
例年通りとは違い、過去作品のリメイク といった斬新なタイトルで、上手いようシニア層の顧客を収納してるとは感じた。
ただ、"過去の栄光"に縋りすぎて、本質となる基盤はグラグラであった為、ポケモンバトルをする以上、昨年のようにバトルシーンに本腰を入れ、視聴者を奮い立たせる展開を組み込むべきだったと感じる。
[点数]
75点