「演劇とアニメの相性の良さ」夜は短し歩けよ乙女 sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
演劇とアニメの相性の良さ
原作未読で、四畳半神話大系も未見。
上田誠が好きで、四畳半タイムマシンブルースを劇場で鑑賞してから、いつかは観たいと思っていた作品。
今日出会えて、やっと観ることができた。
展開が早く、時間軸も空間も、季節感さえもごっちゃごちゃなので、評価が分かれるところだろうけれど、自分はとても好きな作品だった。
まず、四畳半タイムマシンブルースに出てきた登場人物たちが次々と出てきて、素直に楽しかったし、酒と議論と本と演劇と奥手な恋心って、いつの時代の学生生活だよと思いながら、ノスタルジーでキュンキュンした。
原作は小説だと思うので、この展開の演劇的なテイストは、脚本の上田誠の世界観かと思うが、これを実写でやろうとすると、かなりきついだけでなくとても陳腐な作品になってしまったことだろう。アニメ化して、デフォルメされているからこそ、あり得ない展開が観る者にきちんと許容され、なおかつ、登場人物たちの心情(特に主人公たちの葛藤など)が、ぶっ飛んだ映像の効果で、観客によく届いてくる。演劇とアニメの相性の良さを強く感じた。
それにしても、出てくる小物のチョイスの良さ!
赤玉ポートワイン、浅田飴、電気ブラン…懐かしかったなあ。
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