「愛とはつまり滑稽」夜は短し歩けよ乙女 ko_itiさんの映画レビュー(感想・評価)
愛とはつまり滑稽
突っ込みの無い喜劇である。ここで「笑ってくれ」のシーンで「何でやねん!」と突っ込みを入れてこそ笑いが成立するのにそれが無い。
突っ込みどころはパンツを穿いていない先輩を乙女がぶっ飛ばすくらいしかない。だからヘタをすると「ツマラナイ」となりそうだが、不思議な魅力がある。描かれているのは「愛(縁)」だからかもしれない。「仲間内の愛情」「物への愛情」「人への愛情」そしてそれに対する「孤独」も描かれる。
通常ならそれにロマンティクかミステリアスな味をつけるのだが、この映画にはそれが無い。そしてコメディの味付けも無い。まるでドレッシングをしないサラダを差し出されたようなものだ。
そこから見えてくるのは「愛って何?」という問いだ。映画の答えは「愛って滑稽。だから素晴らしい!」
これにノレるかどうかでラストの「落ち」ではない、「落しどころ」にニヤリとできるかもしれない。
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