「久々に途中で帰りたくなった映画」夜は短し歩けよ乙女 ミッチーさんの映画レビュー(感想・評価)
久々に途中で帰りたくなった映画
女性客が多かった。星野源効果だろうか。
四畳半大系のキャラクターがところどころ登場し、前作ファンへのファンサービスが散りばめられている。
作画やASIAN KUNG-FU GENERATIONの曲など、前作と一貫してお洒落な雰囲気作りをしており、サブカル系女子大生には受けそうではあった。
個人的な感想。
原作読んでるし、四畳半神話大系は好き。だけど久々に途中で帰りたくなる映画だった。端の席なら帰っていた。
ヒロインに魅力を感じないため、黒髪の乙女に恋する「私」に全く感情移入できない。
こういうきっかけで好きになったとか、こういうところが可愛いとかの描写がないから、「私」の努力に説得力がない。というか「私」はあまり努力をしていない。
ナカメ作戦は冒頭の5分でダイジェスト的に終わるし、ヒロインへのアプローチがほとんどないから、作中でも何度もでてくる「ご都合主義」的になってしまっている。結局ご都合主義なんだから作中でメタ的なことを言われると萎えてしまう。
次に、観客からするともう二人は両思い、よかったねって分かっているのに、そこからの展開が非常に長い。
「私」の葛藤なんていらないから早く付き合えよ、だってもう相思相愛じゃんって思っていた。
引っ込み思案じゃだめ、積極的になるべきだって「私」の気持ちが変わり、そういった成長だとかメッセージ性を描きたかったのかもしれないけど、結局家で風邪を引いて寝ながら待っているだけじゃないか。
ラストシーンがよくない。
前作で「成就した恋ほど語るに値しないものはない」と言っているが、わりと、だらだらと成就した恋を見せられる。
まだ喫茶店で待っているところで終わってほしかった。できれば奇遇ですね、でアジカンの曲流れて終わり!でよかった。ヒロインは喫茶店に来ちゃってるし、もっと余韻を残してくれないと後味も楽しめない。
だから全体的に楽しめなかった。
四畳半神話大系のファンディスクとしてTSUTAYAで借りる分にはよい映画かな。